T-Engine開発キット概要
T-Engine 開発キットは、組み込み機器のためのオープンな開発プラットフォームです。
ハード、ソフト、開発環境まで含めた、オープンな組込み機器開発プラットフォームをトータルに提供します。
特長
- T-Engine仕様に基づく世界初の開発キット。
- トロンプロジェクトの20年の経験と実績を活かしたリアルタイムOS "T-Kernel" を装備。
- プログラム開発に必要なすべてのソフトウェア環境を標準装備。Linuxマシンがあれば、すぐに開発が始められます。
- 回路図も含めたハードウェアに関する詳細な技術情報が付属しています。
T-Engine 開発キットでできること
今までの組込み開発スタイルでは…
組込みソフトウェア開発の効率化が課題になっています。
- ネットワーク化によって、機能が爆発的に増加している
- 機器自体が高機能化している
- 低コストで差別化することが要求される
一方で、組込み開発の現場では…
- 短い製品開発時間しか与えられない
- 頻繁な開発サイクルにふり回される
- ゼロからいちいち開発していられない
- しかし標準化が遅れているので再利用も困難
- ミドルウェア、ドライバの流通がスムーズでない
T-Engine開発キットを使うと…
- コンパクトで高いリアルタイム性能を持つ標準化されたリアルタイムカーネルをはじめ、 標準化されたハードウェア、ソフトウェア、開発環境が、いろいろなCPUの上で利用可能です。
- 豊富なソフトウェア部品が低コストで流通し、開発コストと期間が低減されます。
- 標準化されたオープンなアーキテクチャのため、技術者の教育が容易です。 T-EngineやT-Kernelのノウハウを今後の開発にも活かせます。
T-Engine 開発キットの特長
標準化されたアーキテクチャです
- ハードウェア仕様 :
- 基本仕様をはじめ物理的なコネクタの位置やボードサイズを標準化しています。
- ソフトウェア仕様 :
- 標準リアルタイムカーネルT-KernelやT-Monitor(PCのBIOSに相当)が付属しています。
- 開発環境 :
- GNUベースのオープンな開発環境が付属しています。
T-Engineの標準オブジェクトフォーマットを生成できます。
このように、ハード、ソフト、開発環境が標準化されているため、ミドルウェアの流通やソフトウェア資産の再利用が容易になります。また、T-Engineにかかわる技術者の教育も共通化できますので、一度習得したノウハウは今後T-Engineの他の機種をご利用いただく場合にも活かせます。
多彩なCPUを選択できます
CPUを変更しても、ハードウェア、OSなどのソフトウェア、開発環境の仕様がそれぞれ標準化されているため、ソフトウェアは再コンパイル程度で利用可能です。そのため、処理能力の高いCPUを選択したり、消費電力が少ないCPUを選択したりと、用途にあわせて最適なCPUへの変更も可能です。
豊富なミドルウェアや開発環境が流通します
標準化されたアーキテクチャであるため、ミドルウェアや開発環境が豊富に、低コストで流通します。
- ソフトウェアメーカーの方へのメリット :
- 各種ミドルウェアを商品として販売することができます。 異なるCPUを持ったT-Engineに対しても、再コンパイル程度の手間で対応できます。
- 周辺機器メーカーの方へのメリット :
- USBやPCカード(標準T-Engine)、CFカードやMMC(μT-Engine)など、 汎用性の高いインタフェースでいろいろな周辺機器を接続できます。 また、異なるCPUを持ったT-Engineに対しても、 共通のデバイスドライバを再コンパイルする程度の手間で対応できます。
- 組込み機器メーカーの方へのメリット :
- すでに流通している豊富で安価なミドルウェアを組み合わせることで、 短い開発期間で高機能な組込み機器の制御用ソフトウェアを開発することができます。
- 開発環境ベンダーの方へのメリット :
- GUIを使ったビジュアルな開発環境、デバッグ環境、統合開発環境や、 対応ホストを増やした開発環境を構築して販売することができます。
多様なシリーズ構成があります
GUIが必要な分野は標準T-Engine、 GUIが不要でよりコンパクトな制御用途にはμT-Engine、というように、適用分野にあわせてシリーズ構成を選択できます。
豊富な周辺機器が利用できます
たとえば、標準T-Engineボードでは、シリアル、PCカード、USB、タッチパネル、 LCD、サウンド、拡張バスなど、さまざまなインタフェースを塔載しています。このため、これらのインタフェースに接続できる数多くの周辺機器を利用可能です。また、拡張バスの仕様なども公開されているため、CPUボードを中心として、各種拡張ボードを介した拡張も可能です。
幅広い用途に利用可能です
- 持ち歩いたり、プロトタイプに組み込んで利用可能
- 物理的にコンパクトで安定したハードウェア構成であるため、 安心してソフトウェア開発やデバッグが可能です。 開発環境そのものを持ち歩いて、 出先でデバッグやデータ収集を行うことも可能です。
- 開発評価用ボードに
- 各種の組込み機器の制御用ソフトウェアを開発するための、 開発評価用ボード(リファレンスプラットフォーム)として利用できます。 携帯電話、AV機器、 デジタル家電など幅広い応用が可能です。
- ミドルウェア開発のために
- T-Engine上で流通する、ミドルウェアやアプリケーションの開発、動作確認、およびデバッグを行うための実行用ターゲットボードとして利用できます。
- コンパクトな実験・教育用のボードコンピュータとして
- 本製品には、ソフトウェア仕様書だけでなく、 回路図などのハードウェアの詳細情報が含まれています。 このため実験や教育用のボードコンピュータにも適しています。
ソフトウェア構成
ターゲット側ソフトウェア
ソフトウェア構成の詳細は、各T-Engine製品によって異なります。
- T-Kernel
- T-Kernel仕様に準拠したリアルタイムカーネルです。以下の構成を持ちます。
- T-Kernel/Operating System (T-Kernel/OS)
-
- タスク制御機能
- タスク間同期通信機能
- メモリ管理機能
- 例外/割込制御機能
- 時間管理機能
- サブシステム管理機能
- T-Kernel/System Manager (T-Kernel/SM)
-
- システムメモリ管理機能
- アドレス空間管理機能
- デバイス管理機能
- 割込み管理機能
- I/Oポートアクセスサポート機能
- 省電力機能
- システム構成情報管理機能
- T-Kernel/Debugger Support (T-Kernel/DS)
-
- カーネルの内部状態の参照
- 実行のトレース
一般には上記のT-Kernel/OS、T-Kernel/SM、 T-Kernel/DSの3つを合わせてT-Kernelと呼びますが、 T-Kernel/OSのみを(狭義の)T-Kernelと呼ぶ場合もあります。
- T-Kernel Extension
- 開発用基本ミドルウェアとも呼ばれ、開発キット用に、T-Kernel/OS のサブシステム機能を利用して構築したOSの拡張部分です
(一部のμT-Engineには含まれません)。
- プロセス/タスク管理
- メッセージ管理
- プロセス/タスク間同期通信管理
- グローバル名管理
- メモリ管理
- ファイル管理
- イベント管理
- デバイス管理
- 時計管理
- システム管理
- PMC T-Monitor
- T-Monitor仕様に準拠したモニタです。 T-Monitorは、T-Engineの基本モニタとしてフラッシュメモリに塔載され、
以下のような機能を持ちます。
- システム機能(ブート機能)
-
- ハードウェア初期化
- システム起動
- 例外/割込み/トラップ処理機能
- デバッグ機能
-
- メモリ操作
- レジスタ操作
- I/O操作
- 逆アセンブル
- プログラム/データのロード
- プログラムの実行
- ブレークポイント操作
- トレース実行
- ディスクの読み込み/書き込み/ブート
- プログラムサポート機能
-
- モニタサービス関数の提供
- デバイスドライバ
- T-Kernel/SMのデバイス管理機能の仕様に基づいた、 以下のデバイスドライバが含まれます。
(※印はμT-Engineには含まれません)- 時計 (RTC) ドライバ
- コンソール (シリアル) ドライバ
- システムディスクドライバ (ATA/CFカード、USB接続ディスク)
- KB/PDドライバ (キーパッド、タッチパネル、USBキーボード/マウス) ※
- スクリーン (内蔵LCD) ドライバ※
- PCカードマネージャ (バスドライバ)
- USBマネージャ (バスドライバ) ※
- 開発ツール (※印は一部のμT-Engineには含まれません)
-
IMS (Initial Monitor System)- T-Kernelの初期タスクとして起動されるプログラム。
- コマンドによるT-Kernelの各種状態の参照/操作
- システムプログラム (サブシステム) のロード/アンロード
- システムプログラム (プロセス) の実行
- コマンドファイルの実行※
- システムの初期起動コマンドファイルSTARTUP.CMDの自動実行※
- CLI (Command Line Interpreter) ※
- システムの1プロセスとして起動されるプログラム。
- コマンドによるファイルを中心とした各種操作
- システムプログラム (サブシステム) のロード/アンロード
- アプリケーションプログラムの実行
- コマンドファイルの実行
- ユーティリティ
- 各種ツール、テストプログラムなど。
ホスト側ソフトウェア (クロス開発環境)
- ホスト側ソフトウェアとして、 Linux および Windows 上の Cygwin で動作する、 GNUベースのクロス開発環境が付属します。
- GNUツール (gcc, binutils, gdb) を使って構築されたクロス開発環境です。 Linux は、RedHat Linux 7.1/7.3/8.0/9.0, Red Hat Professional Workstation 上での動作を確認済みです。
- 充実したサンプルソースが付属します。サンプルソースを参考にしながら、 T-Engine上で流通するデバイスドライバやミドルウェア、 T-Engine上のアプリケーションなどを、容易に構築できます。
- 開発環境は、以下の開発環境パッケージおよびソースパッケージで構成されています。
- GNU開発環境パッケージ
-
- Linux用プラットフォーム共通部分
- Linux用ターゲットCPU対応部分
- T-Kernelリソース部分 (含むドライバ/サンプルソース)
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