2014年12月5日

パーソナルメディア株式会社
〒141-0031 東京都品川区西五反田1-29-1 コイズミビル
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E-mail:te-sales@personal-media.co.jp
(T-Engineのウェブサイト)http://www.t-engine4u.com/

リアルタイムOSで動作する画像処理ソリューション
「OpenCV for PMC T-Kernel」をパーソナルメディアが新発売

組込みシステムの総合ソリューションを提供するソフトウェアメーカーのパーソナルメディア株式会社(代表取締役:松為彰、本社:東京、電話:03-5759-8305、資本金 1,000万円)は、オープンソースの画像処理ミドルウェア「OpenCV」(*1)を次世代リアルタイムOS「PMC T-Kernel 2/x86」上に移植することに成功し、「OpenCV for PMC T-Kernel」の名称で2015年1月21日より出荷開始いたします。また、12月10日(水)~12日(金)に東京ミッドタウンで開催される「2014 TRON Symposium(TRONSHOW)」の当社ブース(ブース番号:B-5)にて、本製品のデモンストレーションを行います。

T-Engineフォーラムがオープンソースで公開しているリアルタイムOS「T-Kernel」は、30年の実績を持つITRONのリアルタイム性を保ちつつ、ファイル管理やTCP/IPなどの豊富なミドルウェアを搭載した組込み向けOSです。T-Kernelは、業務用のハンディ端末やパソコン周辺機器、車載機器、AV機器など、多くの機器で採用実績があります。

パーソナルメディアでは、ARM、SHなど各種のCPUを搭載した組込み機器にT-Kernelを移植してきたほか、産業用パソコン(x86系のCPUを搭載したPC/ATパソコン互換の制御用コンピュータ)で動作する高機能版のT-Kernelとして「PMC T-Kernel 2/x86」を開発し、業務用の無線機器や監視装置、工業用カメラ、車両制御やFA向けの制御装置など、幅広い分野の組込み機器でご採用いただいてきました。産業用パソコンのOSにはWindows Embedded StandardやLinuxを使用するケースが一般的ですが、これらの情報系OSではマイクロ秒単位の安定したリアルタイム性能を確保することが難しいため、FA向けなどのハードなリアルタイム処理が求められる用途にはT-Kernelのご利用が適しています(*2)。

一方、T-Kernelを搭載した組込み機器が増え、T-Kernelの用途が広がった結果、より多くの機能をT-Kernel上で直接実現したいというニーズも高まってきました。その代表的な例が画像処理です。特に、FA向け制御装置などの産業用途においては、カメラから取得した画像をコンピュータで自動処理することによって、製造工程の監視や製造した製品の品質確保を行う場合がありますが、これを実現するには画像処理や画像認識の機能が必要となります。

「OpenCV for PMC T-Kernel」は、こういったニーズに応えるために、画像処理ミドルウェアである「OpenCV」を産業用パソコン向けの「PMC T-Kernel 2/x86」に移植した製品です。本製品のご利用により、T-Kernelを搭載した産業用パソコン上でお客様の用途に応じた画像処理や画像認識を行うことが可能となり、より高度な機能を備えた組込み機器が容易に開発できるようになります。

本製品は、「PMC T-Kernel 2/x86」で動作するほか、お客様の開発された機器やハードウェアで動作するT-Kernel上に移植してご提供します。画像入力用のカメラなど、対応する周辺機器については、お客様のご要望に応じて個別に対応いたします。

パーソナルメディアは、今後もT-Kernelを核とした各種のソフトウェアの開発やサービスを通じて、高機能な組込み機器や、さまざまなユビキタス機器の開発に貢献していく所存です。

(*1)
OpenCV (Open Source Computer Vision Library) http://opencv.org/
(*2)
リアルタイムOSである「PMC T-Kernel 2/x86」のタスクの切り替え時間(ディスパッチ時間)は1μs未満のオーダーとなっており、WindowsやLinuxなど情報系OSのリアルタイム性能を遥かに凌駕します。たとえば、Intel Core2 Quad Q9300 2.5GHz 上でT-Kernelによるタスク起動とディスパッチを行った場合のシステムコール処理時間の実測値は0.40μsです。(実際の処理時間はハードウェア環境や各種の条件などに依存して変動します)

補足資料

「OpenCV for PMC T-Kernel」による画像処理の例

「OpenCV for PMC T-Kernel」 の主な機能

画像認識 オブジェクト検出(顔検出など)、エッジ検出、特徴点抽出など
画像変換 フィルタリング、アフィン変換、色変換など
入出力 カメラからの画像取り込み、画面上への画像出力、画像ファイル入出力など

T-Kernelについて

T-Kernelとは、組込み機器の開発の効率化やユビキタス・コンピューティング環境の実現を目的に活発な活動を続けるT-Engineプロジェクトで仕様が標準化された次世代のリアルタイムOSです。30年の実績を持つITRONのリアルタイム性を保ちつつ、機能の追加や標準化の範囲の拡大を行い、高機能な組込み機器の制御用ソフトウェアを効率よく開発できるように設計されています。T-Kernelは、業務用端末やカーナビ、プリンタなど、既に多くの機器に採用されています。T-Kernelの最新版が2011年5月に公開されたT-Kernel 2.0です。

参考情報、リンク集


  • TRON は "The Real-time Operating system Nucleus" の略称です。
  • TRON、T-Engine、T-Kernelは、コンピュータの仕様に対する名称であり、特定の商品を指すものではありません。
  • その他商品名等は各社の商標や登録商標です。
  • 本資料に記載された製品の仕様、外観イメージ、価格などは、発表日現在のものです。最終的に販売される製品では、変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。ご購入の際は、最新情報をご確認ください。

    OpenCVロゴ

    T-Kernel 2.0ロゴ