2021年12月7日

パーソナルメディア株式会社
〒142-0051 東京都品川区平塚2-6-13 マツモト・スバルビル
TEL.03-5749-4933 FAX.03-5749-4936
E-mail:te-sales@personal-media.co.jp
http://www.t-engine4u.com/

世界標準仕様に準拠したマルチコア対応RTOSの最新版
「PMC T-Kernel 3.0」と開発評価キットを
パーソナルメディアが新発売

 

IoT・組込みシステムの総合ソリューションを提供するソフトウェアメーカーのパーソナルメディア株式会社(代表取締役:松為彰、本社:東京、電話:03-5749-4933、資本金 1,000万円)は、オープンIoTを推進する標準化団体トロンフォーラム「μT-Kernel 3.0」と、IEEE(米国電気電子学会)(*1)の世界標準である「IEEE 2050-2018」(*2)の両方の仕様に準拠したマルチコア対応リアルタイムOS「PMC T-Kernel 3.0」の開発に成功し、2022年1月5日より機器メーカー向けの受注を開始します。また、その開発評価用として、市販の評価ボード上で動作する「PMC T-Kernel 3.0評価キット」を2022年3月1日より発売開始いたします。発売開始に先駆け、12月8日(水)~10日(金) に東京ミッドタウンで開催される「2021 TRON Symposium -TRONSHOW-」のパーソナルメディアのブース(ブース番号:A2)にて、本製品のデモンストレーションを行います。

T-Kernelは、トロンフォーラムからオープンソースのソフトウェアとして提供されるリアルタイムOSです。長年の実績を持つITRONのリアルタイム性を保ちつつ、ファイル管理やTCP/IPなどの豊富なミドルウェアを搭載し、高機能な組込み機器を効率よく開発できます。T-Kernelをコンパクト化したμT-Kernelの仕様は、IEEEのIoTエッジノード向けリアルタイムOSの標準仕様「IEEE 2050-2018」として採用され、世界各国で普及が進んでいます。これらを含めたTRON系OSの組込みシステムにおけるシェアは60%以上(*3)に達します。

このたび当社の開発した「PMC T-Kernel 3.0」は、T-Kernelの20年の開発ノウハウを集約した最新版のリアルタイムOSです。当社が製品化したT-Kernelである「PMC T-Kernel」のこれまでの多くの実績をベースに、「IEEE 2050-2018」や「μT-Kernel 3.0」の仕様に準拠しつつマルチコア対応機能などの大幅な機能強化を行い、より高性能な組込み機器やIoTエッジノードを効率よく開発することができます。この「PMC T-Kernel 3.0」は、一般向けの発売に先立ち、既に大手の業務用機器メーカー様にご採用いただいております。

「PMC T-Kernel 3.0」はお客様の開発する組込み機器やハードウェア上に移植してご提供するカスタム対応製品ですが、すぐに動かして開発や評価を行いたいというお客様のために、市販の評価ボードで動作する「PMC T-Kernel 3.0評価キット」を2022年3月に発売します。本製品は、TCP/IPなどのミドルウェアやデバイスドライバ、Eclipseベースの開発環境が付属したSDK付きの開発評価キットであり、NXP i.MX7 Dual SABRE 評価ボード上で動作します。

パーソナルメディアでは、今後も「PMC T-Kernel 3.0」を核とした各種の組込み向けソフトウェアの開発や製品の提供を通じて、組込み機器やIoTシステムの開発効率の向上と、IoTの普及による豊かで環境負荷の少ない社会の実現に向けて貢献していく所存です。

(*1)
 IEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc.)、米国に本部を持つ世界規模の電気電子学会。
https://www.ieee.org/
(*2)
 トロンフォーラムのμT-Kernel 2.0をベースに、IEEEが仕様を定めたIoTエッジノード向けの標準リアルタイムOS。IEEEおよびトロンフォーラムより、次のようなプレスリリースが出されています。
https://standards.ieee.org/content/ieee-standards/en/news/2018/ieee-publishes-standard-real-time-architecture-iot.html
https://www.tron.org/ja/2018/09/press0911/
(*3)
 「組込みシステムに組み込んだOSのAPIで TRON系OSが60%のシェアを達成し24年連続の利用実績トップ」(トロンフォーラム)
https://www.tron.org/ja/2020/04/post-5172/

「PMC T-Kernel 3.0」のシステム構成例

PMC T-Kernel 3.0


「PMC T-Kernel 3.0」の特長

IEEEの世界標準仕様とTRON系リアルタイムOSの最新仕様に準拠
IoTエッジノード向け世界標準OSの仕様「IEEE 2050-2018」と、TRON系リアルタイムOSの最新版「μT-Kernel 3.0」の両方の仕様に完全準拠しています。
システムの高性能化が可能なマルチコア対応
SMP(Symmetric Multiple Processor)によるマルチコアCPUに対応しており、マルチコア構成を活かしたシステムの高性能化や低消費電力化が可能です。また、シングルコア利用の場合とマルチコア利用の場合のソフトウェアの互換性が高く、CPUのコア数を意識することなくシステムの開発を進めることができます。
T-Kernelの20年の実績と開発ノウハウを集約した最新版
PMC T-Kernelのこれまでの実績をベースに、多くのお客様からいただいたご要望を反映して、有効性の高い機能を追加しています。マルチコア対応機能に加えて、タスクやセマフォなどに名前を付けることができる名前付きオブジェクト機能の追加や、POSIX互換機能(UNIXエミュレータ)の強化などが行われています。
PMC T-Kernel 2.0の完全上位互換
これまで多くのお客様にご利用いただいてきた従来のPMC T-KernelやPMC T-Kernel 2.0に対して、完全な上位互換を実現しています。T-Kernel(タスク)ベースのアプリケーションはソース互換、プロセスアプリケーションはバイナリ互換であり、PMC T-Kernel 3.0上でもそのまま使用できます。
豊富なミドルウェアやデバイスドライバを提供
ファイル管理やプロセス管理を実現する「PMC T-Kernel Extension」のほか、ネットワーク通信用のTCP/IPなどのミドルウェア、USB、LAN、SDカード、シリアルなどの各種デバイスドライバをご用意しており、いろいろな用途やハードウェアに対応したシステムを短期間に開発できます。
すぐに使える開発評価キットを発売
市販の評価ボード(NXP i.MX7 Dual SABRE)で動作する「PMC T-Kernel 3.0評価キット」を発売します。TCP/IPなどのミドルウェアやデバイスドライバ、Eclipseベースの開発環境が付属しており、「PMC T-Kernel 3.0」を実際に動かしながら、PMC T-Kernelを使った製品の開発や評価を進めることができます。

参考情報、リンク集


  • TRON は "The Real-time Operating system Nucleus" の略称です。
  • TRON、T-Kernel、μT-Kernelは、コンピュータの仕様に対する名称であり、特定の商品を指すものではありません。
  • その他商品名等は各社の商標や登録商標です。
  • 本資料に記載された製品の仕様、外観イメージ、価格などは、発表日現在のものです。最終的に販売される製品では、変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。ご購入の際は、最新情報をご確認ください。

    IEEEロゴ

    μT-Kernel 3.0ロゴ

    T-Kernel 2.0ロゴ