2008年10月22日

パーソナルメディア株式会社
〒141-0031 東京都品川区西五反田1-29-1 コイズミビル
TEL.03-5759-8305 FAX.03-5759-8306
E-mail:te-sales@personal-media.co.jp
(T-Engineのウェブサイト)http://www.t-engine4u.com/

インテル® Atom™プロセッサ対応、組込み機器開発のための
「T-Kernel/x86製品開発パッケージ」を新発売

~ 組込み向け開発環境、OS、ミドルウェアをソースやライセンスを含めてパッケージ化 ~

組込みシステムの総合ソリューションを提供するソフトウェアメーカーのパーソナルメディア株式会社(代表取締役:松為彰、本社:東京、電話:03-5759-8305、資本金 1,000万円)は、x86プロセッサ用リアルタイムOS「PMC T-Kernel/x86」をベースに、組込み機器の開発に必要なOS、ミドルウェア、デバイスドライバのソースおよびオブジェクトコード、開発環境、サポート、製品化ライセンスをワンパッケージにした「T-Kernel/x86製品開発パッケージ」を、2008年10月22日より発売いたします。

パーソナルメディアでは、次世代標準リアルタイムOS「T-Kernel」を世界で初めてx86アーキテクチャに移植し、2006年11月より特定のお客様向けに「カスタム版 PMC T-Kernel/x86」としてご提供を開始しました。続けて、市販のPC/AT互換ボード等を使って手軽に「PMC T-Kernel/x86」ベースの組込みシステムを構築したいという多数のご要望に応えるため、カスタム版の開発で蓄積した技術を活用した汎用パッケージ製品として「T-Kernel/x86開発キット」を開発し、2007年11月30日から発売を開始しました。「PMC T-Kernel/x86」は、提供開始以来多くのお客様向けに出荷しており、組込み製品への採用や製品化に向けた評価のためにご利用いただいています。

この度発売を開始する「T-Kernel/x86製品開発パッケージ」は、これまでお客様の開発フェーズにあわせて個別にご提供していたT-Kernelの開発評価キット、OSやデバイスドライバのソースプログラム、開発環境、コピー数無制限(同一機種の場合)の製品化ライセンス、技術サポートの5つのソフトウェアやサービスをワンパッケージ化し、大幅な低価格化を実現するとともに、費用体系を明確にして導入しやすくしたものです。組込み機器メーカーのお客様は、「T-Kernel/x86製品開発パッケージ」をご購入いただくだけで、追加の費用が発生することなく(*1)、安心して組込み機器の開発から製品化に取り組むことができます。

組込み機器向け「インテル® Atom™プロセッサ」の発表を受け、組込み製品へのx86プロセッサの採用がますます拡大することが期待されます。インテル Atom プロセッサーとPMC T-Kernel/x86を組み合わせることで、高性能かつ低消費電力で、すぐれたリアルタイム性を備えた、車載機器やFA制御、業務端末などの組込み機器の開発が可能になります。

「T-Kernel/x86製品開発パッケージ」の標準価格は、リアルタイムOS、ファイルシステム等のミドルウェア、シリアルやCF, HDD等のデバイスドライバを含む基本システム(ソース付き)に、GUI統合開発環境、質問数無制限の技術サポート(期間3ヶ月)、コピー数無制限のライセンス(機種単位)が付属して200万円(税別)(*2)です。本製品はパーソナルメディアからの直接販売にてお求めいただけます。このほか、高機能な組込み機器で必要となるネットワーク、USB、GUIの各機能もオプションとしてご用意しております。

パーソナルメディアでは、今後もPMC T-Kernelを核とした各種サービスを通じて、高機能な組込み機器や、さまざまなユビキタス機器の開発に貢献していく所存です。

(*1)
デバイスドライバやミドルウェアの追加、本製品で定められた範囲を越えた技術サポートや製品化ライセンスが必要となった場合は、この限りではありません。
(*2)
基本構成の価格です。オプション品の価格や詳細については当社営業部までお問い合わせください。

補足資料

「T-Kernel/x86製品開発パッケージ」の特長

  • 組込み機器の開発に必須のソフトウェアやサービスをワンパッケージにして安価にご提供します。コピー数無制限のライセンス(機種単位)に、リアルタイムOS、ファイルシステム等のミドルウェア、シリアルやCF, HDD等のデバイスドライバを含む基本システムのソースが付属して200万円(税別)です。
  • リアルタイムOS「T-Kernel」やT-Kernel用のミドルウェア、デバイスドライバ等が、インテル Atomプロセッサ搭載ボードをはじめとする豊富なPC/AT互換ボード上で利用でき、T-Kernel応用製品のハードウェアの選択肢が大きく拡がります。もちろん、お客様が独自に開発されたハードウェアと組み合わせて製品化することも可能です。
  • 他のCPUのT-Kernel上で開発したソフトウェア資産は、再コンパイル程度の手間で 「PMC T-Kernel/x86」上に移植できます。逆に、「PMC T-Kernel/x86」で開発したソフトウェアを他のCPUのT-Kernel上に移植することも容易です。従来からT-Engineで利用されていたCPUにx86系の選択肢が加わり、その応用範囲がさらに拡がります。
  • これまでWindowsやLinuxを利用していたお客様に対しては、省資源でリアルタイム性能が高く、組込み向けのミドルウェアやデバイスドライバが豊富に揃ったT-Kernelという新しいソリューションをご提供します。
  • オープンソースのGUI統合開発環境Eclipseによる開発やデバッグが可能です。T-Kernel用のアプリケーション等を開発するためのプラグイン「Eclipse for PMC T-Kernel」が付属しています。
  • 質問数無制限の技術サポート(期間3ヶ月)が含まれており、開発の立ち上げから製品化までの作業が安心です。
  • ネットワーク(LANドライバ, TCP/IP等)、USB(プロトコルスタック, ストレージ等のクラスドライバ)、GUI(スクリーンドライバ, フォント, ビジュアル言語等)などの豊富な追加オプションを用意しています。

「T-Kernel/x86製品開発パッケージ」の製品仕様

表1.「T-Kernel/x86製品開発パッケージ」の製品構成
パッケージ ソフトウェアの分類 ソフトウェアの内容
基本構成 開発評価 「T-Kernel/x86評価キット」付属
ターゲット側ソフトウェア
(ソースプログラム付)
PMC T-Monitor, PMC T-Kernel(x86対応),
PMC T-Kernel Extension(プロセス管理、ファイル管理など), デバイスドライバ(シリアルポート,システムディスク,RTC)
ホスト(Windows)側
開発環境(*3)
統合開発環境「Eclipse for PMC T-Kernel」,
GNU C/C++コンパイラ(T-Kernel対応),
標準Cライブラリ, T-Kernel関連ライブラリ
USB
オプション
ターゲット側ソフトウェア
(ソースプログラム付)
USB 2.0ホスト用プロトコルスタック(アイソクロナス転送機能を含む),
クラスドライバ(HID(*4)、マスストレージ)
ネットワーク
オプション
ターゲット側ソフトウェア
(ドライバのソース付)
LANドライバ, TCP/IP(ICMP, ARP, DNS, DHCP, PPPを含む), ネットワークユーティリティ
GUI
オプション
ターゲット側ソフトウェア
(ドライバのソース付)
スクリーンドライバ, KB/PDドライバ, ディスプレイプリミティブ, GUIマネージャ, ドットフォント, マイクロスクリプト(ビジュアル言語)など (*5)
(*3)
仮想化ソフトVMware Playerにより、実機の代わりにパソコン上での開発とデバッグが可能です。
(*4)
GUIオプションと併用した場合に利用できます。
(*5)
追加オプション(有償)にて18万字の多漢字・多言語用TrueTypeフォント、かな漢字変換、タッチパネルドライバなどの機能をご提供します。
技術サポートについて
基本構成パッケージ、および全てのオプションパッケージにおきまして、質問数無制限、 期間3ヶ月の技術サポートが付属します。
製品化ライセンスについて
基本構成パッケージ、および全てのオプションパッケージにおきまして、 指定機種(*6)向けコピー数無制限の製品化ライセンスが付属します。
(*6)
お客様ご指定の組込み機器1機種に対して、台数無制限のライセンスを許諾いたします。機種の定義など、詳細についてはお問い合わせください。複数機種向けの製品化ライセンス、コピー数単位のライセンスについても承りますのでご相談ください。
表2. PMC T-Kernel/x86の標準構成における動作条件と対応ハードウェア
CPU x86 (互換CPUも含む)
Intel Atom, Core, Pentium, Celeron, AMD Athlon, Geode, VIA Edenなど
メモリ 32MB以上
BIOS PC/AT互換の標準的なBIOSが実装されていること(*7)
シリアルポート(*8)
(RS-232C)
16550互換
デバッグコンソールにも利用
システムディスク(*8) CFカード(TrueIDE)、IDEタイプのHDD、USBストレージ(*9)に対応
起動ディスクにも利用
USB(*8)(*9) USB 1.1/2.0ホストアダプタ(UHCI/OHCI/ECHI, ただし一部の機種を除く)に対応
マスストレージクラス機器(HDD,CD-ROM,USBメモリ等), HIDクラス機器(キーボード,マウス)(*9)に接続可能
LAN(*8)(*9) Intel EE PRO/100, 3Com 3C900/590, DEC 21140, Realtek RTL8139/8169, VIA VT6102, SiS900, AMD Am79C973, NE2000互換などの LANアダプタに対応
TCP/IPを利用可能
画面ディスプレイ(*8)(*9) VESA BIOSが対応していること(*7)
(*7)
お客様ご指定のハードウェアやBIOS上でPMC T-Kernel/x86が動作することを当社が保証するものではありません。ただし、ハードウェアやBIOSの仕様の差異に対しては、お客様ご自身でT-Monitorやデバイスドライバのソースプログラムを修正していただくことにより対応可能です。当社が有償でこの調整作業をお請けすることもできますので、お気軽にご相談ください。
(*8)
お客様がデバイスドライバを追加あるいは修正することにより、他のデバイスや制御チップ、メディア等にも対応可能です。
(*9)
基本構成には含まれません。本機能のご利用には、ネットワーク、USB、GUIなど、対応するオプションパッケージが必要です。

パーソナルメディアとT-Engineプロジェクト

パーソナルメディアは、組込み機器のためのオープン開発プラットフォームであるT-Engineプロジェクトに積極的に参加し、開発から技術サポート、販売から出版まで、幅広い事業を展開しています。TRONの25年間の歴史の中でパーソナルメディアが蓄積した高度な技術力とノウハウ、および協力各社との緊密なパートナーシップにより、組込みシステム全般にわたるソリューションをご提供します。

具体的には、リアルタイムOS「PMC T-Kernel」のポーティングやチューニング、組込み向けデバイスドライバ「PMC T-Drivers」の開発や移植、多漢字対応のGUIミドルウェア「PMC T-Shell」や各種プロトコルスタック、ウェブブラウザなどの移植やご提供、技術セミナーや技術サポートなどの業務を中心に、多くのT-Engine応用製品の開発に関わり、その実績を高くご評価いただいております。また、ソフトウェアの開発がすぐに始められる開発評価用ボードとして、各種CPUを搭載した「T-Engine開発キット」や安価なT-Engineアプライアンスである「Teaboard2」「μTeaboard」、T-Engine用の拡張ボード類やオプション品など、幅広い組込み向け製品をご提供しております。

参考情報、リンク集


  • TRON は "The Real-time Operating system Nucleus" の略称です。
  • TRON, BTRON, ITRON, eTRON, T-Engine,μT-Engine, T-Monitor, T-Kernel はコンピュータの仕様に対する名称であり、特定の商品を指すものではありません。
  • その他の商品名などは各社の商標または登録商標です。
  • 本資料に記載された製品の仕様、外観イメージ、価格などは、発表日現在のものです。最終的に販売される製品では、変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。ご購入の際は、最新情報をご確認ください。