2013年12月4日

パーソナルメディア株式会社
〒141-0031 東京都品川区西五反田1-29-1 コイズミビル
TEL.03-5759-8305 FAX.03-5759-8306
E-mail:te-sales@personal-media.co.jp
(T-Engineのウェブサイト)http://www.t-engine4u.com/

「μT-Kernel 2.0」の動くSDK付き開発評価ボード2機種を
パーソナルメディアが新発売

M2MやIoTのための最新リアルタイムOSをいち早く製品化

組込みシステムの総合ソリューションを提供するソフトウェアメーカーのパーソナルメディア株式会社(代表取締役:松為彰、本社:東京、電話:03-5759-8305、資本金 1,000万円)は、省資源版の最新リアルタイムOSである「μT-Kernel 2.0」を搭載したSDK付き開発評価ボードとして、「T2&μT2リファレンスキット」および「μTeaboard 2.0」の2機種を開発し、2014年1月10日より出荷開始いたします。また、12月11日(水)~13日(金)に東京ミッドタウンで開催される「TRONSHOW2014」の当社ブース(ブース番号:B-2)にて、本製品2機種のデモンストレーションを行います。

今後の応用展開が期待されるM2M(Machine to Machine)やIoT(Internet of Things)のノードとなるコンピュータでは、センサーやネットワークなど多数の入出力デバイスを、高速かつ並行して制御する必要があります。一方、物理サイズ、コスト、電源容量などの制約から、そのハードウェアリソースは極めて厳しい場合が多く、ROMやRAMを内蔵した安価なシングルチップマイコンなどを使って、リアルタイム、マルチタスクの制御を実現しなければなりません。

このような用途を想定して設計されたOSが、業務用端末などに多くの実績を持つ「T-Kernel 2.0」をベースに、さらにコンパクト化と適応化を進めた省資源版のリアルタイムOSである「μT-Kernel 2.0」です。μT-Kernel 2.0では、ROMやRAMの少ない機器上での実行を可能とするために、OSの一部の機能を選択、削除して適応化することができます。選択、削除された機能を示すために「サービスプロファイル」と呼ばれるプロファイルが定義されており、このプロファイルを参照することによって、アプリケーション等から利用可能なOSの機能を機械的に判別できます。

パーソナルメディアがこの度発売する「T2&μT2リファレンスキット」および「μTeaboard 2.0」は、「サービスプロファイル」の検証機能を持ったμT-Kernel 2.0のSDK付き開発評価ボードです。μT-Kernel 2.0を搭載した実際の組込み機器(実機)と同じ「サービスプロファイル」(*1)をユーザが指定することにより、実機に合わせた開発環境を再現しますので、まだ実機の無い段階から実機向けのプログラム開発を進めたり、動作を検証したりすることができます。

「T2&μT2リファレンスキット」は標準価格85,000円(税別)、「μTeaboard 2.0」は標準価格27,000円(税別)で、いずれも実行用ボード、TCP/IPなどのミドルウェアやデバイスドライバ、Eclipseベースの開発環境が付属しています。開発に必要なハードウェアとソフトウェアをすべて含めてワンパッケージ化しておりますので、これらの製品をご購入いただくだけで(*2)、実機向けのプログラム開発をすぐに始めることができます。また、「T2&μT2リファレンスキット」では、μT-Kernel 2.0の代わりにT-Kernel 2.0を動作させることもできます。

パーソナルメディアでは、これらのボードの開発や販売のほか、お客様の実機へのμT-Kernel 2.0の移植作業も承っております。今後も、T-KernelやμT-Kernelを核とした各種のソフトウェアの開発やサービスを通じて、高機能な組込み機器や、さまざまなユビキタス機器の開発に貢献していく所存です。

(*1)
一部のサービスプロファイルには対応しておりません。
(*2)
開発用ホストとなるWindows PCは別途必要です。そのほか、汎用のUSBケーブルまたはシリアルケーブルが必要です。


T2&μT2リファレンスキット

ボード写真

ハードウェア仕様

【CPUボード】
CPU ルネサス エレクトロニクス EMMA Mobile1-D (ARM11コア, 500MHz)
Flash ROM 32MB (NOR Flash)
RAM 64MB (CPU内蔵)
eMMC 4GB, 二次記憶として利用可能
JTAG-ICE I/F 京都マイクロコンピュータ PARTNER-Jet用
電源 DC +5V、ACアダプタから供給
寸法 CPUボード: 137mm×75mm (突起物を除く)
金属製フレーム: 161mm×87mm (突起物を除く)
RoHS指令 対応
入出力I/F
microSDスロット 1スロット
LAN 10/100BASE-T、RJ-45コネクタ
USB-OTG(*3) USB 2,0対応、mini-ABコネクタ
USB-UART(*4) mini-Bコネクタ
シリアル(*5)(*6)×2 RS-232またはCMOSレベルを切替
絶縁入出力(*6)×4ビット フォト・カプラにより絶縁したGPIO
Sound(*6) マイク入力、スピーカ出力
HLS(*6) ハイスピード・リンク・システム
その他 チップLED×4、プッシュSW×4、照度センサー、温度センサー、カメラモジュール(オプション)
(*3)
マウス、キーボード、USBマスストレージなどのUSB機器の接続には、USB mini-Aコネクタを持ったUSBホストケーブルが必要です。なお、付属のデバイスドライバではUSB-Hostの機能が利用可能で、USB-Functionとしての機能はサポートしておりません。
(*4)
デバッグ用コンソールとして、開発用PCのUSBに接続して利用可能です。
(*5)
DSUB-9Pコネクタ(シリアル用)が1本のみ付属します。
(*6)
コネクタは、CPUボード上のボックス型基板コネクタを使用します。
【LCDボード】
LCD 4インチ、TFTカラー、800×480ドット
タッチパネル 抵抗膜式


ソフトウェア仕様

以下のいずれかを選択して実行できます。

(1)PMC μT-Kernel 2.0

パーソナルメディアが実装したμT-Kernel 2.0であり、製品付属のCD-ROMからインストールして実行します。次項のPMC T-Kernel 2.0と共通のデバイスドライバやEclipse開発環境が利用できるほか、開発ホスト上で「サービスプロファイル」を指定することにより、ユーザの開発したプログラムとの適合性を検証できます。

(2)PMC T-Kernel 2.0

パーソナルメディアが改良したT-Kernel 2.0であり、製品付属のCD-ROMからインストールして実行します。以下の機能が含まれています。

ターゲット用
OSカーネル PMC T-Kernel 2.0
デバイスドライバ microSD、LAN、USB 2.0(ホスト用)、シリアル、RTC、 KB/PD、スクリーン(LCD)、タッチパネル、 USB-HIDクラス、USBマスストレージクラスなど
ミドルウェアなど PMC T-Kernel Extension (プロセス管理、ファイル管理など)、TCP/IP、
PMC T-Shell(GUIミドルウェア)、マイクロスクリプト(ビジュアル言語)、CLI などの開発ツール、ユーティリティなど
開発ホスト(Windows)用(*7)
SDK Eclipse for PMC T-Kernel
・GNU C/C++コンパイラ(T-Kernel対応済み)
・GDB(ソースレベルデバッガ)
・ANSI Cライブラリ、T-Kernel関連ライブラリ、サンプルソースなど
(*7)
Windows 7、Windows 8、Windows 8.1(いずれも32ビット版/64ビット版)などで動作を確認しています。なお、GUIを使わないGNU開発環境はLinux上でも動作します。Ubuntu 12.04 LTSで動作を確認しています。
(3)オープンソース版のT-Kernel 2.0

T-Engineフォーラムから公開されているT-Kernel 2.0がそのまま動作します。お客様ご自身でダウンロードしてご利用ください。


μTeaboard 2.0

ボード写真

ハードウェア仕様

CPU アトメル社AT91M55800A(ARM7TDMI 33MHz)
フラッシュメモリ 4Mバイト
RAM 2Mバイト+CPU内蔵8Kバイト
入出力 I/F(*8) シリアル(Dsub9 ピン)×1、LAN、UART×3、SPI×4、タイマ×6、PWM×4、ADC×8、DAC×2、GPIO、JTAG I/F
汎用スイッチ ユーザDIPスイッチ×4, ユーザプッシュスイッチ×2, ユーザLED×4
電源 AC アダプタ(5V 300mA)(*9)
寸法 95mm × 75mm (突起物を除く)
RoHS指令 対応
(*8)
シリアル、LAN、JTAG以外のI/Oはスルーホールですので、別途コネクタの取り付けや配線が必要です。また、同時に利用できるチャンネル数には制限があります。
(*9)
AC アダプタは別売りオプションです。

ソフトウェア仕様

ターゲット用
OSカーネル PMC μT-Kernel 2.0
デバイスドライバ 時計(RTC)、コンソール(シリアル)、LANドライバ
ミドルウェアなど TCP/IP、ユーティリティなど
開発ホスト(Windows)用(*10)
SDK Eclipse for PMC T-Kernel
・GNU C/C++コンパイラ(T-Kernel対応済み)
・GDB(ソースレベルデバッガ)
・ANSI Cライブラリ、T-Kernel関連ライブラリ、サンプルソースなど
(*10)
Windows 7、Windows 8、Windows 8.1(いずれも32ビット版/64ビット版)などで動作を確認しています。なお、GUIを使わないGNU開発環境はLinux上でも動作します。Ubuntu 12.04 LTSで動作を確認しています。

オプション品

拡張I/Oボード
入力 光センサー、人感(赤外線)センサー
出力 8セグメントLED(1桁)(*11)、他励式ブザー(音階制御可)
その他 入出力拡張用ピンヘッダ
電源 CPUボードから給電
寸法 100mm × 95mm (突起物を除く)
(*11)
もう1桁分のパターンをボード上に用意してありますので、お客様にてLEDを追加して 2桁に増やすことは可能です。

補足説明

T-Kernelについて

T-Kernelとは、組込み機器の開発の効率化やユビキタス・コンピューティング環境の実現を目的に活発な活動を続けるT-Engineプロジェクトで仕様が標準化された次世代のリアルタイムOSです。30年近い実績を持つITRONのリアルタイム性を保ちつつ、機能の追加や標準化の範囲の拡大を行い、高機能な組込み機器の制御用ソフトウェアを効率よく開発できるように設計されています。T-Kernelは、業務用端末やカーナビ、プリンタなど、既に多くの機器に採用されています。

T-Kernel 2.0およびμT-Kernel 2.0について

T-Kernelの基本コンセプトをそのまま継承しつつ、マイクロ秒単位の時間管理機能や大容量デバイスへの対応機能などを強化した最新版のT-KernelがT-Kernel 2.0です。一方、T-Kernel 2.0をベースにさらにコンパクト化を進め、ROMやRAMを内蔵したシングルチップマイコンにも適応させた省資源版のT-KernelがμT-Kernel 2.0です。μT-Kernel 2.0は、今後の応用展開が期待されるM2M(Machine to Machine)やIoT(Internet of Things)を構成する重要な技術の一つとして、センサーノードなどに組み込まれ、各ノードを制御する小型軽量のリアルタイムOSとして利用されることを想定しています。μT-Kernel 2.0の仕様書は、2013年12月のTRONSHOW2014に合わせて公開される予定です。

参考情報、リンク集


  • TRON は "The Real-time Operating system Nucleus" の略称です。
  • TRON、T-Engine、T-Kernel、μT-Kernelは、コンピュータの仕様に対する名称であり、特定の商品を指すものではありません。
  • その他商品名等は各社の商標や登録商標です。
  • 本資料に記載された製品の仕様、外観イメージ、価格などは、発表日現在のものです。最終的に販売される製品では、変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。ご購入の際は、最新情報をご確認ください。

    μT-Kernelロゴ

    T-Kernel 2.0ロゴ