2014年12月5日
acontis technologies GmbH
パーソナルメディア株式会社

パーソナルメディア株式会社
〒141-0031 東京都品川区西五反田1-29-1 コイズミビル
TEL.03-5759-8305 FAX.03-5759-8306
E-mail:te-sales@personal-media.co.jp
(T-Engineのウェブサイト)http://www.t-engine4u.com/

EtherCATマスタースタック「EC-Master」の
T-Kernel 2.0対応版の開発で日独企業が協業

独 acontis technologies GmbH(代表者:Stefan Zintgraf, Christoph Widmann、本社:ドイツWeingarten、以下acontis)、パーソナルメディア株式会社(代表取締役:松為彰、本社:東京)の両社は、高性能EtherCATマスタースタック「EC-Master」のT-Kernel 2.0対応版の開発に成功し、EC-MasterおよびT-Kernelベースの組込みビジネスを両社共同で強力に推進することに合意いたしました。acontisおよびパーソナルメディアの持つT-Kernelのノウハウおよび移植実績、高度な技術力、強力な販売チャンネルを利用して、T-Kernelを搭載した高機能な組込み機器にEC-MasterによるEtherCATのモーションネットワークを提供します。また、12月10日(水)~12日(金)に東京ミッドタウンで開催される「2014 TRON Symposium(TRONSHOW)」の当社ブース(ブース番号:B-5)にて、本製品のデモンストレーションを行います。

EtherCAT(イーサキャット)は、LANの世界標準規格であるイーサネットをベースにしたフィールドバスシステムであり、FA制御向けに高速かつ高精度な通信を実現するオープンなネットワークです。工場内のFA機器は、高性能な組込みコンピュータによって制御されておりますが、EtherCATは、その制御用コンピュータ(マスター側)と製造ラインの工作機械など(スレーブ側)との間を接続する役割を果たします。EtherCATのマスター側の通信を制御するソフトウェア(プロトコルスタック)としてacontisが開発した製品がEC-Masterであり、高性能かつ組込みを意識した小さいfootprintが特長となっています。

一方、T-Engineフォーラムがオープンソースで公開しているリアルタイムOS「T-Kernel」は、30年の実績を持つITRONのリアルタイム性を保ちつつ、ファイル管理やTCP/IPなどの豊富なミドルウェアを搭載した組込み向けOSです。T-Kernelは、業務用のハンディ端末やパソコン周辺機器、車載機器、AV機器など、多くの機器で採用実績があります。パーソナルメディアでは、ARM、SH、x86など各種のCPUを搭載した組込み機器に最新バージョン「T-Kernel 2.0」を移植し、業務用の無線機器や監視装置、工業用カメラ、車両制御やFA向けの制御装置など、幅広い分野の組込み機器でご採用いただいてきました。またお客様の製品開発に役立つ開発用ボードや開発ツールなど、「T-Kernel 2.0」関連製品を販売しております。

acontis、パーソナルメディアの両社でこの度開発したT-Kernel 2.0対応版のEC-Masterは、生産現場における各種の製造装置、ロボットコントロール、モーションコントロール、データ収集およびデータ計測用の機器など、広範囲な用途において各種の要求に応える最適なソリューションです。両社は、本製品や関連するサービスを共同で提供することにより、T-KernelとEtherCATを用いたFA向けの組込み機器の開発を強力に支援します。


補足資料

EtherCATとEC-Master

EtherCATは、IEEE802.3 Ethernetベースのフィールドバスシステムです。バス接続やネットワーク接続に対応した柔軟なトポロジーとシンプルなコンフィギュレーションによって、従来のフィールドバスシステムと同様の取り扱いができるというメリットを保ちつつ、従来のフィールドバスシステムと比較して通信速度が大幅に向上しています。さらに、安価な実装が可能であることから、従来はフィールドバステクノロジーを使用できなかった比較的ローエンドなシステムにも応用範囲を広げています。

EtherCATはIEC(国際電気標準会議)で標準化されたオープンテクノロジーです。EtherCAT の実装(プログラム)は、EtherCAT Technology Group によって開発やサポートが行われています。このグループは、ユーザーとベンダーの双方を含む国際的なコミュニティであり、既に2500社以上が参加しています。acontis technologies GmbH もその一員です。

同社がリアルタイムOS向けに最適化して開発した、EtherCATのマスター側の制御を行う高性能なプロトコルスタックがEC-Masterです。EC-Masterはx86, ARM, XScale, PPC, SH, MIPSなど多くのCPUに対応済みであり、組込みを意識した小さなfootprint、モジュール化されたスタック構成などを特長としています。

acontis technologies GmbHについて

acontis technologis GmbHはミュンヘン近郊にあるドイツの企業です。acontis technologiesが開発した全ての製品はドイツ国内で開発を行っております。acontis technologiesはKUKA Roboterの公認ディストリビュータであります。またドイツの国内外のEtherCATスレーブ供給メーカと太いパイプを築いております。EC-Masterはドイツ国内だけでなく世界的な企業に採用され、既に多くの実績を積んでおります。

また、代表者の一人Christoph Widmannは2014年4月よりEtherCAT Technology GroupのMarketing Committee 議長にも任命されEtherCATの専業メーカとして普及活動にも力をいれております。

日本では2012年3月12日に acontis technologies Japan を設立いたしました。

パーソナルメディア株式会社について

パーソナルメディア株式会社は、組込み機器のためのオープン開発プラットフォームであるT-Engineプロジェクトに積極的に参加し、開発から技術サポート、販売から出版まで、幅広い事業を展開しています。具体的には、「PMC T-Kernel」のポーティングやチューニング、組込み向けデバイスドライバ「PMC T-Drivers」の開発や移植、x86を使ったリアルタイム制御システムの開発や製品化に役立つ「T-Kernel 2/x86評価キット」「T-Kernel 2/x86ライセンス付SDK」の販売などを通じて、T-Kernelを使った多くの組込み機器の開発に携わっており、その実績はお客様に高くご評価いただいております。

また、T-Kernel 2.0 SWG(サブワーキンググループ)の座長およびμT-Kernel SWGの幹事としてT-Engineフォーラムの活動に協力し、T-Kernel 2.0、T2EXなどの仕様策定を進めてきました。これらの成果は、当社のT-Kernel関連製品に反映されています。

関連情報

acontis technologies GmbH
http://www.acontis.com/
acontis technologies Japan
http://www.acontis.com/int/jp/acontis/acontis-technologies-japan/index.php
日本語対応窓口 Email: jpsupport@acontis.com
パーソナルメディアのT-Engineソリューション
http://www.t-engine4u.com/
T-Engineフォーラム
http://www.t-engine.org/



  • TRON は "The Real-time Operating system Nucleus" の略称です。
  • TRON、T-Engine、T-Kernelは、コンピュータの仕様に対する名称であり、特定の商品を指すものではありません。
  • その他商品名等は各社の商標や登録商標です。
  • 本資料に記載された製品の仕様、外観イメージ、価格などは、発表日現在のものです。最終的に販売される製品では、変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。ご購入の際は、最新情報をご確認ください。

    EC-Masterロゴ

    T-Kernel 2.0ロゴ