2008年11月17日

パーソナルメディア株式会社
株式会社プランナーズランド

パーソナルメディアとプランナーズランドがT-Engine向けのデータ管理ソリューションの提供で協業

~ 組込み用インデックス作成ライブラリ「EGI」を共同販売 ~

株式会社プランナーズランド(代表取締役:村山文孝、本社:名古屋、電話番号: 052-265-2930、資本金:8,960万円)とソフトウェアメーカーのパーソナルメディア株式会社(代表取締役:松為彰、本社:東京、電話番号:03-5759-8305、資本金: 1,000万円)は、組込みシステム向けの高速検索を実現するためのインデックス作成ライブラリ「EGI:Embedded General Index」の次世代リアルタイムOS「T-Kernel」版の販売を本日より共同で開始します。
また、両社はT-Kernel版EGIの販売を契機に、共同でEGIおよびT-Kernelベースの組込みビジネスを強力に推進することに合意いたしました。
EGIは、プランナーズランドの関連会社である株式会社アウトスタンディングテクノロジー(代表取締役:岩井昇一、本社:東京、電話番号:03-5524-5727、資本金:1,000万円)が開発し、T-Kernelへ移植しました。

プランナーズランドは、パーソナルメディアのT-Kernelに関するノウハウと移植実績、高度な技術力、強力な販売チャンネルを通じて、T-Kernelを搭載した高機能な組込み機器にEGIによる高速データ検索機能を提供します。

近年、組込み機器の高機能化に伴い、取り扱うデータ量やそれを保存する記憶装置の大容量化が進んでおり、大量のデータの管理や検索に対するニーズがますます高まってきました。そういったニーズに応えるのがコンパクトで信頼性の高い組込み向けインデックス作成ライブラリEGIです。EGIの搭載により、今まで個々に開発していた検索アルゴリズムをインターフェース統合することで、開発に必要であった時間、労力、及びコストを大幅に削減できます。EGIとRDBMSの違いは、RDBMSはデータ管理・データ検索・整合性維持・障害保障などの豊富な機能を有するの対して、EGIはデータ検索だけに特化することで、組込みシステムに応じたデータ検索機能を提供できます。

一方、高機能な組込み機器では、大規模かつ複雑になったソフトウェアの開発効率の向上が大きな課題となっておりますが、その解決に向けてリアルタイムOSのAPI仕様やミドルウェア、開発環境などの枠組みの標準化に取り組んでいるのがT-Engineプロジェクトです。 T-Engineプロジェクトを推進するT-Engineフォーラムには、国内および海外のメーカー約500社が参加し、標準リアルタイムOS「T-Kernel」を中心とした組込み向けソフトウェア体系の整備を進めています。

この度、T-Kernel版EGIが販売されることにより、カーナビ、情報家電、携帯端末、ネットワーク機器、測定機器など大量のデータを扱う高機能な組込みシステムの開発をサポートするソフトウェアが整備され、開発期間や開発工数の大幅な削減が可能となりました。
具体的には、プランナーズランド、パーソナルメディアの両社で次のような製品やサービスを提供することにより、EGIを用いた組込み機器の開発を強力に支援します。

(a) T-Kernelを搭載した開発評価用ボードで動作するEGIの販売
動作確認機種:
  • T-Engine/SH7727開発キット、T-Engine/VR5701開発キット、T-Engine/ARM920-MX1開発キット
  • T-Kernel/x86評価キット
  • Teaboard2/ARM920-MX1
(b) EGIおよびT-Kernelに関連するソフトウェア等の組込み機器向け移植サービス
(c) 組込み向けデータベース&インデックスを用いたアプリケーション開発

プランナーズランドとパーソナルメディアでは、T-Engine向け組込み用インデックス作成ライブラリEGIを核とした各種サービスを通じて、さまざまなユビキタス機器の開発に寄与していく所存です。


補足資料

インデックスとは?

インデックスは、検索データ(キー)を基に、該当データを特定するための仕組みである。あらかじめ検索データと、データを特定するデータIDを登録して索引(インデックス)を作成しておくことにより、高速に対象データを特定できます。インデックスは、組込みシステムの記憶媒体の大容量化に伴い、大量に蓄積されたデータの高速検索・更新処理、アプリケーション開発の標準化に有効です。

「EGI」の特長

EGIは、ワークスペースと呼ばれる領域を永続媒体(メモリやSDカード、HDD)上に作成できます。インデックスは、用途に応じたアルゴリズム(種類)で、ワークスペース上に複数作成することができ、作成されたインデックスは、アルゴリズムに関係なく、共通のインターフェース(EGI-API)にて操作できます。
主なインデックスとして、B-TREE (汎用インデックス)、Z-ORDER(2次元空間インデックス)、N-GRAM (部分一致インデックス)、K-TREE (よみ仮名インデックス)があります。またRDBMS(ex.EMPRESS)のユーザ定義インデックス機能(インデックス拡張)などと連携させることで、RDBMSの検索機能を大幅に強化できます。

T-Engineで動作しているEGI

T-Engineで動作しているEGI

プランナーズランド

プランナーズランドは、組込みシステムにおけるデータ管理システムの構築をサポートするベストパートナーとして、組込み用RDBエンジン「EMPRESS」の最適化やチューニング、用途に応じたインデックス「EGI」(フリーワード検索、空間検索、B-Treeなど)の実装、障害対応(リカバリー)、パフォーマンス改良、リソース管理など、コンサルティングから設計、開発、サポート、教育のあらゆる分野において、幅広いサービスをご提供しております。EGIは、プランナーズランドの関連会社である株式会社アウトスタンディングテクノロジーが開発し、プランナーズランドが販売いたします。

パーソナルメディアとT-Engineプロジェクト

パーソナルメディアは、組込み機器のためのオープン開発プラットフォームであるT-Engineプロジェクトに積極的に参加し、開発から技術サポート、販売から出版まで、幅広い事業を展開しています。TRONの25年間の歴史の中でパーソナルメディアが蓄積した高度な技術力とノウハウ、および協力各社との緊密なパートナーシップにより、組込みシステム全般にわたるソリューションをご提供します。

具体的には、リアルタイムOS「PMC T-Kernel」のポーティングやチューニング、組込み向けデバイスドライバ「PMC T-Drivers」の開発や移植、多漢字対応のGUIミドルウェア「PMC T-Shell」や各種プロトコルスタック、ウェブブラウザなどの移植やご提供、技術セミナーや技術サポートなどの業務を中心に、多くのT-Engine 応用製品の開発に関わり、その実績を高くご評価いただいております。また、インテルAtomプロセッサなどx86系のプロセッサで動作する「T-Kernel/x86評価キット」やx86用のT-Kernelに製品化ライセンスを含めた「T-Kernel/x86製品開発パッケージ」、各種CPUを搭載した開発評価用ボード「T-Engine開発キット」、安価なT-Engineアプライアンスである「Teaboard2」「μTeaboard」、これらのボード上で動作するデバイスドライバやミドルウェアなど、幅広い組込み向け製品をご提供しております。


参考情報、リンク集


  • TRON は "The Real-time Operating system Nucleus" の略称です。
  • TRON, BTRON, ITRON, eTRON, T-Engine,μT-Engine, T-Monitor, T-Kernel はコンピュータの仕様に対する名称であり、特定の商品を指すものではありません。
  • その他の商品名などは各社の商標または登録商標です。
  • 本資料に記載された製品の仕様、外観イメージ、価格などは、発表日現在のものです。最終的に販売される製品では、変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。ご購入の際は、最新情報をご確認ください。