2011年10月5日
株式会社アルゴシステム
株式会社リンクス
acontis technologies GmbH
パーソナルメディア株式会社

パーソナルメディア株式会社
〒141-0031 東京都品川区西五反田1-29-1 コイズミビル
TEL.03-5759-8305 FAX.03-5759-8306
E-mail:te-sales@personal-media.co.jp
(T-Engineのウェブサイト)http://www.t-engine4u.com/

FA制御のソフトウェア化とオープン化を実現する
「EFFECT(Extended Factory Function Excellent
Control with T-Kernel)」を日独の4企業が共同開発

株式会社アルゴシステム(代表取締役:北浦敏雄、本社:大阪)、株式会社リンクス(代表取締役:村上慶、本社:神奈川)、独 acontis technologies GmbH(代表者:Stefan Zintgraf, Christoph Widmann、本社:ドイツWeingarten、以下acontis)、パーソナルメディア株式会社(代表取締役:松為彰、本社:東京)の4社は、FA制御のソフトウェア化によってFA(Factory Automation)に革新(イノベーション)をもたらす新しいソリューションシステム「EFFECT(Extended Factory Function Excellent Control with T-Kernel)」の開発に成功し、2011年10月18日(火)より発売開始いたします。また、発売日の10月18日には、上記4社の主催による組込みシステム開発者向けセミナー「FAイノベーション T-Kernel 2.0」(ベルサール神田)を開催し、上記4社の技術責任者のほか、TRONプロジェクトリーダーの坂村健氏、インテル、日本テキサス・インスツルメンツ、岡谷エレクトロニクスなどの半導体メーカーや関連メーカーがFAイノベーションの詳細について講演を行います。

産業用の組込み制御システムは、現在、大きな変革期を迎えています。ひとつは、PCベースの産業用コントローラの高性能化と普及を背景とした、ソフトウェア化の流れです。近年のx86搭載ボードの性能向上により、従来は専用ハードウェアで実現されていたPLC(Programmable Logic Controller)やシーケンサなどの制御システムが、汎用のPC/AT互換ボードやパネルコンピュータと、ソフトウェアで実現できるようになりました。FA制御のソフトウェア化により、システム構築の柔軟性が大幅に向上するほか、GUIの充実や、ネットワークによる他システムとの連携動作など、高度な機能の開発も容易になります。

もうひとつは、オープンプラットフォームへの流れです。オープン化により、システム全体を特定の1社が包括的に提供するのではなく、OS、ミドルウェア、制御用プロトコルスタックなどをユーザ自身が自由に組み合わせてシステムを構築できるようになります。ユーザにとっては、システム構築や実装の選択肢が増え、高品質なFA制御システムを低コストで開発できるようになるほか、システムの中身のブラックボックス化が回避され、改造や保守が容易になるというメリットがあります。

この2つの変革の核となるテクノロジーが、オープンアーキテクチャとしてTRONの長い歴史と多くの実績を保ちつつ、最新の高性能なx86搭載ボードにも対応した組込み制御用の次世代リアルタイムOS「T-Kernel 2.0」です。これに加えて、消費電力を抑えつつT-Kernel 2.0の高い性能を引き出すインテル® エンベデットプロセッサ、制御用OSのリアルタイム性を損なわずに他のOSを同時実行できるRTH(Real-time Hypervisor)、産業用ネットワークの制御用プロトコルにオープン化の考え方を導入したEtherCATなどの技術を融合することにより、FA制御のソフトウェア化とオープン化を着実に実現することができます。

「EFFECT」は、これらのキーテクノロジーを持つアルゴシステム、リンクス、acontis、パーソナルメディアの4社が技術力を結集して共同開発したソリューションシステムです。本システムでは、アルゴシステムの開発したインテル® エンベデットプロセッサ搭載プラットフォーム上にリンクスのRTHを実装し、その上でパーソナルメディア版のT-Kernel 2.0である「PMC T-Kernel 2/x86」とWindowsを同時に実行することが可能です。PLCやモーションなどリアルタイム制御を担うT-Kernel 2.0と、画面系やデータベースアクセスなどを担うWindowsを1台のコンピュータ上で実行できるため、x86プロセッサの性能を最大限に活用しつつ、ハードウェアのコストダウンを実現できます。さらにT-Kernel 2.0の上では、acontisのEtherCATマスタースタック「AT-EM」が動作し、FAの生産現場における各種の製造装置の制御、ロボットコントロール、モーションコントロール、データ収集およびデータ計測など、広範囲な応用が可能です。

アルゴシステム、リンクス、acontis、パーソナルメディアの4社は、本システムの販売や関連するサービスを共同で提供することにより、インテル® エンベデットプロセッサ、RTH、T-Kernel 2.0、EtherCATを用いたFAイノベーションの推進を強力に支援します。

補足資料

RTH(Real-time Hypervisor)

「Real-Time Hypervisor(リアルタイム・ハイパーバイザー)」は、複数OSがIntelマルチコアプロセッサの各CPUコア上で並列同時動作する組込み向け仮想化ソフトウエアです。組込み分野に特化しており、本ソフトウエアを使用することで、リアルタイムOSのハードリアルタイム性に一切影響を与えること無く、Windowsなどの汎用OSを、並列稼働することができます。T-KernelなどのリアルタイムOSを搭載したコントローラと、画面操作系にWindowsを搭載したPCで構成される産業用装置を単一PCにまとめて、コスト削減・ケーブル削減・装置コンパクト化・電力消費削減を実現します。

EtherCATとAT-EM

EtherCATは、IEEE802.3 Ethernetベースのフィールドバスシステムです。バス接続やネットワーク接続に対応した柔軟なトポロジーとシンプルなコンフィギュレーションによって、従来のフィールドバスシステムと同様の取り扱いができるというメリットを保ちつつ、従来のフィールドバスシステムと比較して通信速度が大幅に向上しています。さらに、安価な実装が可能であることから、従来はフィールドバステクノロジーを使用できなかった比較的ローエンドなシステムにも応用範囲を広げています。

EtherCATはIEC(国際電気標準会議)で標準化されたオープンテクノロジーです。EtherCAT の実装(プログラム)は、EtherCAT Technology Group によって開発やサポートが行われています。このグループは、ユーザーとベンダーの双方を含む国際的なコミュニティであり、既に1600社以上が参加しています。acontis technologies GmbH もその一員です。

同社がリアルタイムOS向けに最適化して開発した、EtherCATのマスター側の制御を行う高性能なプロトコルスタックがAT-EMです。AT-EMはx86, ARM, XScale, PPC, SH, MIPSなど多くのCPUに対応済みであり、組込みを意識した小さなfootprint、モジュール化されたスタック構成などを特長としています。

株式会社アルゴシステムについて

株式会社アルゴシステムはお客様の「トータルソリューション」を提供しているメーカーです。創業以来、FA、SA分野を中心に、タッチパネルコンピュータやEtherCATシステムなどマイクロエレクトロニクス製品をハードウエア(回路設計や機構設計等)やソフトウエア(ファームウエア、ドライバ開発、アプリケーション開発等)だけでなく、それらを長くお客様に安心してお使いいただくためのシステム評価など、お客様に最適なご提案をさせていただき、システム構築、運用、メンテナンス含めたトータルソリューションを提供しています。豊富な経験を独自のノウハウとして蓄積・活用して、外国製にはない「Made in Japanの品質」と「オリジナル製品の開発」はお客様に高い評価を得ています。また、弊社はEtherCAT Technology Groupの一員としてEtherCATの普及、発展に貢献しています。

株式会社リンクスについて

株式会社リンクスは1990年の創業以来、常にユーザー・ニーズを先取りし最新テクノロジーを提供することで、お客様の開発効率や開発コストにイノベーションをもたらし続けています。

dSPACE社の制御開発ツール「dSPACE」、MVTec社の画像処理ライブラリ「HALCON」、BASLER社の産業用カメラシリーズ、そしてReal-Time Systems社の「Real-Time Hypervisor」など、最新テクノロジーに裏打ちされた製品を取り扱う技術商社です。

顧客第一主義をポリシーに、製品の導入から運用までをトータルでバックアップし、多彩なオーダーにキメ細かく対処できるサポート体制を確立しています。当社の経営理念は、どんなご要望に対しても決して諦めることなく、誠心誠意で対応し、熱意を持って顧客の開発する製品の品質向上に努めることです。刻々と変化する時代の潮流を敏感に読み取り、求められているものを、求められている以上のカタチで提案する、プロ集団。それが、リンクスです。

acontis technologies GmbHについて

acontis technologis GmbHはミュンヘン近郊にあるドイツの企業です。acontis technologiesが開発した全ての製品はドイツ国内で開発を行っております。acontis technologiesはKUKA Roboterの公認ディストリビュータであります。またBeckhoff,Hilscherといったドイツ国内のEtherCATスレーブ供給メーカと太いパイプを築いております。AT-EMはドイツ国内だけでなく世界的な企業に採用され、既に多くの実績を積んでおります。

パーソナルメディア株式会社について

パーソナルメディア株式会社は、組込み機器のためのオープン開発プラットフォームであるT-Engineプロジェクトに積極的に参加し、開発から技術サポート、販売から出版まで、幅広い事業を展開しています。具体的には、「PMC T-Kernel」のポーティングやチューニング、組込み向けデバイスドライバ「PMC T-Drivers」の開発や移植、T-Kernelを搭載した極小マカロン型コンピュータ「Teamacaron」の開発や販売などを行い、その実績は多くのお客様に高くご評価いただいております。

また、T-Kernel 2.0ワーキンググループの座長としてT-Engineフォーラムの活動に協力し、T-Kernel 2.0の仕様策定を進めて参りました。その成果をいち早く実装した「T-Kernel 2/x86評価キット」「T-Kernel 2.0リファレンスキット」などの製品も発表しています。

関連情報

組込みシステム開発者向けセミナー「FAイノベーション T-Kernel 2.0」
http://www.linx.jp/emb/seminar/faitk20/
株式会社アルゴシステム
http://www.algosystem.co.jp/
株式会社リンクス
http://www.linx.jp/index.shtml
acontis technologies GmbH
http://www.acontis.com/
パーソナルメディアのT-Engineソリューション
http://www.t-engine4u.com/
T-Engineフォーラム
http://www.t-engine.org/



  • TRON は "The Real-time Operating system Nucleus" の略称です。
  • TRON、T-Engine、μT-Engine、T-Monitor、T-Kernelは、コンピュータの仕様に対する名称であり、特定の商品を指すものではありません。
  • その他商品名等は各社の商標や登録商標です。
  • 本資料に記載された製品の仕様、外観イメージ、価格などは、発表日現在のものです。最終的に販売される製品では、変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。ご購入の際は、最新情報をご確認ください。

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