2011年12月7日
株式会社リンクス
パーソナルメディア株式会社

パーソナルメディア株式会社
〒141-0031 東京都品川区西五反田1-29-1 コイズミビル
TEL.03-5759-8305 FAX.03-5759-8306
E-mail:te-sales@personal-media.co.jp
(T-Engineのウェブサイト)http://www.t-engine4u.com/

T-Kernelのリアルタイム性を維持したままWindowsが動く
「RTH with T-Kernel」を
リンクスとパーソナルメディアが新発売

株式会社リンクス(代表取締役:村上慶、本社:神奈川)、パーソナルメディア株式会社(代表取締役:松為彰、本社:東京)の2社は、x86マルチコアプロセッサ上で複数の汎用OSとリアルタイムOS「T-Kernel 2.0」が動作する組込み向けハイパーバイザー(*1)である「RTH with T-Kernel」の開発に成功し、2012年1月末より出荷を開始いたします。本製品により、組込み向けに高速リアルタイム制御を行うT-Kernelと、クラウドとの連携、データベースアクセス、GUIなどを担うWindowsを、1台の制御用PCの中で連携動作させることができ、T-KernelとWindowsの双方のOSのメリットを活かした高性能かつ高機能な組込みシステムの構築が可能となります。また、12月14日(水)~16日(金)に東京ミッドタウンで開催される「TRONSHOW2012」のパーソナルメディアのブース(ブース番号:A-5)にて、本製品のデモンストレーションを行います。

x86系のCPUは、パソコンやサーバーなどの用途に加えて、FA向けの制御装置や監視装置、業務用の各種IT機器など、ハイエンドな組込み機器への採用も増えています。パーソナルメディアでは、リアルタイムOS「T-Kernel」を世界で初めてx86アーキテクチャに移植し、2010年12月からは最新バージョン「T-Kernel 2.0」に対応した「T-Kernel 2/x86評価キット」の発売を開始しました。T-Kernelは、FA向けを含むハイエンドな組込み機器の制御用に最適なリアルタイムOSであり、「T-Kernel 2/x86評価キット」によってx86を使った組込み機器の開発期間や開発コストを大幅に削減できます。

近年ではインテル社のCoreシリーズをはじめとして、高性能なマルチコアプロセッサのラインアップも充実してきました。マルチコアプロセッサのCPU資源を無駄なく活用するため生まれた技術の一つがハイパーバイザーです。リンクスから提供されるリアルタイム・ハイパーバイザー(Real-Time Hypervisor、以下RTH)の仮想化技術(パーティションニング技術)により、複数のOSを1台のPC上で並列稼動することが可能になり、複数のPCで行っていた作業をPC 1台に集約することができます。これにより、CPU性能のフル活用、ハードウェアコストの削減、スペース・重量削減、システムの信頼性向上など、数々のメリット生じます。

「RTH with T-Kernel」は、リンクスとパーソナルメディアが共同開発したT-Kernel 2.0対応の組込み向けハイパーバイザーです。インテル® マルチコアプロセッサ(*2)搭載プラットフォーム上でリンクスの RTH が動作し、その上でパーソナルメディア版のT-Kernel 2.0である「PMC T-Kernel 2/x86」とWindowsなどの汎用OSを同時に実行します。RTHの技術により、リアルタイムOSのT-Kernelに対してはネイティブ環境での動作と同様に応答時間の最悪値が保証されるため、組込み制御に必要なリアルタイム性を損ねることがありません。さらに、T-Kernelによるリアルタイム制御を続けながら、Windowsを再起動することもできます。T-KernelとWindowsの間は、TCP/IPプロトコルによる同一コンピュータ内の仮想ネットワーク機能などを使って、通信や情報の共有が可能です。PLCやモーションなどリアルタイム制御を担うT-Kernel 2.0と、画面系やデータベースアクセスなどを担うWindowsを1台のコンピュータ上で実行できるため、x86プロセッサの性能を最大限に活用しつつ、ハードウェアのコストダウンを実現できます。「RTH with T-Kernel」は、FAの生産現場における各種の製造装置の制御や、医療用装置、家電製品、自動車関連製品など、広範囲な応用が可能です。

リンクスとパーソナルメディアは、「RTH with T-Kernel」の販売や関連するサービスを共同で提供することにより、組込み向けソリューションの推進を強力に支援します。

(*1)
ハイパーバイザーは、複数のOSを並列稼動させる仮想化技術を実現するために、ハードウェアとOSの間に入って動作する、管理用のプログラムです。ハイパーバイザーで採用している仮想化技術はパーティショニング技術と呼ばれるもので、各ハードウェアデバイスは特定のOSに割り当てられ、各OSが独占的にそのデバイスを使用します。その結果、1つのOSや一部のデバイスの動作に問題を生じても、その問題が他のOSに波及せず、他のOSや他のデバイスは安定動作を続けることができます。
(*2)
CPUおよびBIOSがIntel VT-xに対応している必要があります。

補足資料

RTH(Real-time Hypervisor)

「Real-Time Hypervisor(リアルタイム・ハイパーバイザー)」は、複数のOSがIntelマルチコアプロセッサの各CPUコア上で並列同時動作する、組込み向け仮想化ソフトウエアです。「仮想化」という表現を使っていますが、組込み分野に特化しているため、T-Kernelのハードリアルタイム性に一切影響を与えること無く、Windowsなどの汎用OSを、並列稼働することができます。T-KernelなどのリアルタイムOSを搭載したコントローラと、Windowsを搭載したPCで構成される画面操作系の産業用装置を、1台のPCに統合することができ、コスト削減・ケーブル削減・装置コンパクト化・電力消費削減を実現します。

株式会社リンクスについて

株式会社リンクスは1990年の創業以来、常にユーザー・ニーズを先取りし最新テクノロジーを提供することで、お客様の開発効率や開発コストにイノベーションをもたらし続けています。

dSPACE社の制御開発ツール「dSPACE」、MVTec社の画像処理ライブラリ「HALCON」、BASLER社の産業用カメラシリーズ、そしてReal-Time Systems社の「Real-Time Hypervisor」など、最新テクノロジーに裏打ちされた製品を取り扱う技術商社です。

顧客第一主義をポリシーに、製品の導入から運用までをトータルでバックアップし、多彩なオーダーにキメ細かく対処できるサポート体制を確立しています。当社の経営理念は、どんなご要望に対しても決して諦めることなく、誠心誠意で対応し、熱意を持って顧客の開発する製品の品質向上に努めることです。刻々と変化する時代の潮流を敏感に読み取り、求められているものを、求められている以上のカタチで提案する、プロ集団。それが、リンクスです。

パーソナルメディア株式会社について

パーソナルメディア株式会社は、組込み機器のためのオープン開発プラットフォームであるT-Engineプロジェクトに積極的に参加し、開発から技術サポート、販売から出版まで、幅広い事業を展開しています。具体的には、「PMC T-Kernel」のポーティングやチューニング、組込み向けデバイスドライバ「PMC T-Drivers」の開発や移植、T-Kernelを搭載した極小マカロン型コンピュータ「Teamacaron」の開発や販売などを行い、その実績は多くのお客様に高くご評価いただいております。

また、T-Kernel 2.0ワーキンググループの座長としてT-Engineフォーラムの活動に協力し、T-Kernel 2.0の仕様策定を進めて参りました。その成果をいち早く実装した「T-Kernel 2/x86評価キット」「T-Kernel 2.0リファレンスキット」などの製品も発表しています。

関連情報

株式会社リンクス
http://www.linx.jp/index.shtml
パーソナルメディアのT-Engineソリューション
http://www.t-engine4u.com/
T-Engineフォーラム
http://www.t-engine.org/



  • TRON は "The Real-time Operating system Nucleus" の略称です。
  • TRON、T-Engine、μT-Engine、T-Monitor、T-Kernelは、コンピュータの仕様に対する名称であり、特定の商品を指すものではありません。
  • その他商品名等は各社の商標や登録商標です。
  • 本資料に記載された製品の仕様、外観イメージ、価格などは、発表日現在のものです。最終的に販売される製品では、変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。ご購入の際は、最新情報をご確認ください。

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