2010年12月8日
パーソナルメディア株式会社
〒141-0031 東京都品川区西五反田1-29-1 コイズミビル
TEL.03-5759-8305 FAX.03-5759-8306
E-mail:te-sales@personal-media.co.jp
(T-Engineのウェブサイト)http://www.t-engine4u.com/
進化するTRONの次世代バージョン
T-Kernel 2.0にいち早く対応
「T-Kernel 2/x86評価キット」をパーソナルメディアが新発売
組込みシステムの総合ソリューションを提供するソフトウェアメーカーのパーソナルメディア株式会社(代表取締役:松為彰、本社:東京、電話:03-5759-8305、資本金 1,000万円)は、進化するTRONの次世代バージョンT-Kernel 2.0にいち早く対応したx86用のリアルタイムOS開発評価パッケージ「T-Kernel 2/x86評価キット」の開発に成功し、2011年1月より出荷を開始いたします。また、12月15日(水)~17日(金)に東京ミッドタウンで開催される「TRONSHOW2011」の当社ブース(ブース番号:A-4)にて、本製品のデモンストレーションを行います。
T-Kernelとは、組込み機器の開発の効率化やユビキタス・コンピューティング環境の実現を目的に活発な活動を続けるT-Engineフォーラムから、オープンソースのソフトウェアとして提供されるリアルタイムOSです。25年の実績を持つITRONのリアルタイム性を保ちつつ、標準化された豊富なミドルウェアを搭載し、WindowsやLinuxと同等の高度な情報処理も容易に実現できます。T-Kernelは2002年に開発されて以来、既に10年近くの実績があり、業務用端末やカーナビ、プリンタなど多くの機器に採用されてきました。
T-Kernelのバージョンアップ版として、今年の春より技術検討と仕様策定の行われてきた次世代のリアルタイムOSがT-Kernel 2.0です。T-Kernel 2.0では、より高性能化するハードウェアに対応するため、64ビットデータタイプの採用、時間関係の機能のマイクロ秒対応、大容量デバイス対応などの機能が強化されています。パーソナルメディアは、T-Kernel 2.0ワーキンググループの座長としてT-Engineフォーラムの活動に協力し、T-Kernel 2.0の仕様策定を進めて参りました。
パーソナルメディアでは、このT-Kernel 2.0をx86アーキテクチャにいち早く移植し、「T-Kernel 2/x86評価キット」の名称で新発売します。x86系のCPUは、パソコンやサーバーなどの用途に加えて、FA向けの制御装置や監視装置、業務用の各種IT機器など、ハイエンドな組込み機器への採用が増えており、近年ではインテル社のAtomをはじめとする組込み向けx86系CPUのラインアップも充実してきました。T-Kernelは、こういった機器の制御用に最適なリアルタイムOSであり、「T-Kernel 2/x86評価キット」によってx86を使った組込み機器の開発期間や開発コストを大幅に削減できます。
「T-Kernel 2/x86評価キット」の標準価格は94,500円(本体価格 90,000円)で、パーソナルメディアのウェブショップや流通会社を通じてご購入いただけます。本製品には、T-Kernel 2.0のカーネルのほか、ファイル管理機能やTCP/IPマネージャなどのミドルウェア、デバイスドライバ、開発環境など、開発や評価に必要なソフトウェアがすべて含まれており、x86を使った組込み機器の短期開発を強力に支援します。また、従来のT-Kernelを搭載した「T-Kernel/x86評価キット」(*1)と比較して、シリアルATAのシステムディスクドライバや、Gigabit Ethernet対応のLANドライバが強化されています。本製品による開発評価の終了後、実際の組込み機器の製品化を行う際には、開発用のソフトウェアに加えてサポート契約や製品化ライセンスをパッケージ化した「T-Kernel/x86製品開発パッケージ」をご利用いただけます。
パーソナルメディアでは、引き続き「Teamacaron®」(*2)や「T-Kernel用タスクトレーサ」(*3)など既存製品のT-Kernel 2.0対応を行います。T-Kernel 2.0を核とした各種のソフトウェアの開発やサービスを通じて、今後とも高機能な組込み機器や、さまざまなユビキタス機器の開発に貢献していく所存です。
- (*1)
- 従来のT-Kernelをx86アーキテクチャに移植した製品は、2006年11月に出荷を開始しており、業務用の無線機器、監視装置、タッチパネル式のコンピュータなどへの採用実績があります。
- (*2)
- Teamacaronは超小型の組込み制御用コンピュータです。ARM11コアのCPU、リアルタイムOS T-Kernelに加えて豊富なミドルウェアを搭載しています。
- (*3)
- T-Kernel用タスクトレーサは組込みシステムのデバッグに役立つ動作解析ツールです。実行状態のタスクの遷移やシステムコール発行のログをグラフィカルに表示します。
補足資料
「T-Kernel 2/x86評価キット」の特長
- 組込み機器の次世代リアルタイムOS「T-Kernel 2.0」やT-Kernel用のミドルウェア、デバイスドライバ等が、品種の豊富なPC/AT互換の組込みボード上ですぐに利用でき、高機能、高性能な組込み機器を短期間に開発できます。
- 組込み向けにコンパクトに設計されたOSであるため、WindowsやLinuxと比較して少ないメモリやハードウェア資源で動作し、機器の製造コストなどの面で有利です。
- WindowやLinuxと比較してリアルタイム処理性能に優れており、細かい時間の指定が必要なFA用の制御装置、プログラマブルコントローラ(PLC)などの用途において、特に威力を発揮します。起動時間も大幅に短縮できます。
- PC上の仮想化ソフトでも動作します。このため、組込み機器の実際のハードウェア(実機)がなくても、開発用PCのみを使って、T-Kernel上の組込みソフトの開発やデバッグを進めることができます。
- 「Eclipse for PMC T-Kernel」が付属しており、GUI統合開発環境Eclipseを使った開発やデバッグが可能です。
図
- 図1. 「T-Kernel 2/x86評価キット」のソフトウェアの構成図 [144Kバイト]
- 図2. 「T-Kernel 2/x86評価キット」の動作イメージと画面表示例 [147Kバイト]
表
【仮想化ソフトの場合】 | |
---|---|
VMware Player 1.X、2.X、3.X の上で動作 | |
【PC/AT互換ボードの場合】 | |
CPU | x86 (互換 CPU も含む) Intel Atom, Core, Pentium, Celeron, AMD Athlon, Geode, VIA Edenなど |
メモリ | 32MB以上 |
BIOS | PC/AT互換の標準的なBIOSが実装されていること |
ディスク | ブート可能なディスク(IDE/SATAタイプのHDD、CFカード、USB メモリなどに対応。)が実装されていること |
シリアルポート | デバッグコンソール用 |
ディスプレイ | VESA BIOSが対応していること |
USB | USB 1.1/2.0ホストアダプタ(UHCI, OHCI, EHCIに対応。ただし、 機種によっては未対応の場合もあります。) |
USB接続機器 | HIDクラス機器: キーボード、マウス マスストレージクラス機器: HDD、CD-ROM、USBメモリなど |
LAN | 【10/100BASE-T対応LANアダプタ】 Intel PRO/100, 82562, 3Com 3C900/590, DEC 21140, Realtek RTL8139/8169/8101/8103, VIA VT6102, SiS900, AMD Am79C970/971/972/973/975/976/977/978, NE2000互換など 【1000BASE-T対応LANアダプタ】 Intel PRO/1000, i82574L, Realtek RTL8169など |
【ターゲット側ソフトウェア】 | |
---|---|
T-Kernel | PMC T-Kernel 2/x86 |
T-Monitor | PMC T-Monitor |
T-Kernel Extension | PMC T-Kernel Extension (プロセス管理、ファイル管理など) |
デバイスドライバ | シリアル、システムディスク、ディスプレイ、USB、LANなど |
ミドルウェア | グラフィック、TCP/IP、マイクロスクリプト(ビジュアル言語) |
フォント | 18万字の多漢字・多言語用TrueTypeフォント |
基本アプリケーション | 基本ブラウザ、基本文章編集(ワープロソフト)、基本図形編集(図形編集ソフト)、各種ユーティリティなど |
【ホスト(Windows)側開発環境】 | |
コンパイラ | GNU C/C++コンパイラ (T-Kernel対応済み) |
デバッガ | GDB (ソースレベルデバッガ) |
ライブラリ | 標準 Cライブラリ、標準 C++クラスライブラリ、T-Kernel関連ライブラリなど |
GUI統合開発環境 | Cygwin, Eclipse, Eclipse用T-Kernel開発環境プラグインなど |
その他 | 超漢字V(各種システムコンフィグレーション設定やマイクロスクリプトのプログラム開発などで利用します。) |
【付属ドキュメント】 | |
マニュアル | 取扱説明書、開発環境説明書、ライブラリ説明書、デバイスドライバ説明書、実装仕様書など |
チュートリアル | はじめてみようT-Kernel 2/x86(入門向けチュートリアル) |
参考資料
- 【PDFプレスリリース】
-
- 本プレスリリースのPDF版です。
[381KB]
- 本プレスリリースのPDF版です。
- 【PDFカタログ】
-
- T-Kernel 2/x86評価キット
[659KB]
- パーソナルメディア組込み開発プラットフォーム T-Engineソリューション
[1276KB]
- T-Kernel 2/x86評価キット
- 【関連情報】
- T-Engineフォーラム
- http://www.t-engine.org/
- TRONSHOW2011
- http://www.tronshow.org/
- パーソナルメディアのT-Engineソリューション
- http://www.t-engine4u.com/
- パーソナルメディアのウェブショップ
- http://www.personal-media.co.jp/webshop/
- TRON は "The Real-time Operating system Nucleus" の略称です。
- TRON、T-Engine、μT-Engine、T-Monitor、T-Kernelは、コンピュータの仕様に対する名称であり、特定の商品を指すものではありません。
- Teamacaron はパーソナルメディア株式会社の登録商標です。
- その他商品名等は各社の商標や登録商標です。
- 本資料に記載された製品の仕様、外観イメージ、価格などは、発表日現在のものです。最終的に販売される製品では、変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。ご購入の際は、最新情報をご確認ください。