2012年7月4日
パーソナルメディア株式会社
〒141-0031 東京都品川区西五反田1-29-1 コイズミビル
TEL.03-5759-8305 FAX.03-5759-8306
E-mail:te-sales@personal-media.co.jp
(T-Engineのウェブサイト)http://www.t-engine4u.com/
パーソナルメディアがx86用リアルタイムOS
「PMC T-Kernel 2/x86」の製品ラインナップを拡大、
無償評価版のご提供を開始
組込みシステムの総合ソリューションを提供するソフトウェアメーカーのパーソナルメディア株式会社(代表取締役:松為彰、本社:東京、電話:03-5759-8305、資本金 1,000万円)は、組込み機器への採用実績が増えつつあるx86用リアルタイムOS「PMC T-Kernel 2/x86」の製品ラインナップとサービスを大幅に拡大します。ひとつは無償評価版のご提供、もうひとつはお求めやすくなったライセンス付きSDK(*1)の販売開始で、いずれも2012年7月31日よりご利用いただけます。
パーソナルメディアでは、2006年にリアルタイムOS「T-Kernel」を世界で初めてx86アーキテクチャに移植しました。その後2007年には市販のPC/AT互換ボード等で動作する「T-Kernel/x86開発キット」を、2010年には次世代版のT-Kernel 2.0にいち早く対応した「T-Kernel 2/x86評価キット」を発売し、昨年にはWindowsとT-Kernelとの連携動作が可能な「Real-Time Hypervisor(RTH)」(*2)にも対応するなど、x86用のT-Kernelを核とした多くのソフトウェア製品をご提供してきました。「PMC T-Kernel 2/x86」は、最新技術を用いた高性能な機器はもちろん、MS-DOSやITRONで制御していた古い組込み機器のシステム更新に伴う置き換え用にも利用されており、業務用の無線機器や監視装置、工業用カメラ、車両制御やFA分野など、いろいろな用途の製品への採用実績があります。
このたびご提供を開始する「T-Kernel 2/x86無償評価版」は、汎用の市販組込みボードなどを使って手軽にT-Kernelの評価を始めたいというお客様のご要望にお応えした評価用パッケージです。リアルタイムOS「PMC T-Kernel 2/x86」、HDD, USB, LAN等のデバイスドライバ、TCP/IP, GUI等のミドルウェア、Eclipseベースの統合開発環境が付属する「T-Kernel 2/x86評価キット」の最新版(*3)と同等の内容を、30日間無償で試用できます。
また、評価後の本格的なアプリケーション開発や組込み機器の製品化の際にご利用いただくパッケージとして、「T-Kernel 2/x86ライセンス付SDK」の発売を開始します。本パッケージにはミドルウェアや開発環境に加えて、コピー数無制限の製品向けライセンス(プロジェクト単位)と質問数無制限の技術サポート(期間1年間)が付属し、開発から製品化に必要なソフトウェアやサービスをすべて含んでおりますが、最小構成(*4)で120万円(税別)からと大変お求めやすい価格になっています。製品向けライセンスの対象台数を限定することにより、さらに低価格でのご提供も可能です。
パーソナルメディアでは、今後もPMC T-Kernelを核とした各種サービスを通じて、高機能な組込み機器や、さまざまなユビキタス機器の開発に貢献していく所存です。
- (*1)
- SDK (Software Development Kit): 開発環境、OS、ミドルウェア、デバイスドライバ、技術ドキュメントなどを含めたプログラム開発用のソフトウェアパッケージです。
- (*2)
- 「PMC T-Kernel 2/x86」は、株式会社リンクスが日本国内で販売するハイパーバイザー「Real-Time Hypervisor(RTH)」に対応しています。詳細は「T-Kernel 2/RTH評価キット」をご覧ください。
- (*3)
- 「PMC T-Kernel 2/x86」では、新しいコントローラ(チップセット)への対応や特定機種向けのタッチパネルドライバのご提供など、継続的なバージョンアップや機能強化を行っています。その成果は「T-Kernel 2/x86無償評価版」や「T-Kernel 2/x86ライセンス付SDK」でもご利用いただけます。
- (*4)
- 最小構成の場合は開発モデルがタスクベースに限定されます。お客様のアプリケーションでタスクのほかにプロセスの機能も使う場合には、基本構成の「T-Kernel 2/x86ライセンス付SDK」(250万円(税別))をご利用ください。また、最小構成、基本構成とも、高機能な組込み機器で必要となるネットワーク、USB、GUI(最小構成では不可)の各機能はオプションとしてご用意しております。オプション品の価格や詳細については当社営業部までお問い合わせください。
補足資料
「T-Kernel 2/x86ライセンス付SDK」の特長
- 組込み機器の開発に必須のソフトウェアやサービスをワンパッケージにして安価にご提供します。コピー数無制限のライセンス(プロジェクト単位)と技術サポート(1年間)に、リアルタイムOS、ファイルシステム等のミドルウェア、シリアルやCF, HDD等のデバイスドライバを含む基本システムのソースが付属する「基本構成(プロセス+タスク版)」は250万円(税別)です。
- FA分野などリアルタイム処理に特化した、コピー数無制限のライセンス(プロジェクト単位)と技術サポート(1年間)に、リアルタイムOS、ファイルシステム、シリアルやCF, HDD等のデバイスドライバを含む基本システムのソースが付属する「最小構成 (タスク版)」は120万円(税別)です。ライセンスの対象台数を限定すればさらに安価になります。
- ネットワーク(LANドライバ, TCP/IP等)、USB(プロトコルスタック, ストレージ等のクラスドライバ)、GUI(スクリーンドライバ, フォント, ビジュアル言語等、タスク版は未対応)などの豊富な追加オプションを用意しています。
- これまでWindowsやLinuxを利用していたお客様に対して、省資源でリアルタイム性能が高く、組込み向けのミドルウェアやデバイスドライバが豊富に揃ったT-Kernelという新しいソリューションをご提供します。
- 組込み機器向けリアルタイムOS「PMC T-Kernel 2/x86」やT-Kernel用のミドルウェア、デバイスドライバ等が、品種の豊富なPC/AT互換の組込みボード上ですぐに利用でき、T-Kernel応用製品のハードウェアの選択肢が大きく拡がります。もちろん、お客様が独自に開発されたハードウェアと組み合わせて製品化することも可能です。
- 製品開発前の「PMC T-Kernel 2/x86」の評価用として「T-Kernel 2/x86評価キット」を発売中です。30日間無償で評価できる「T-Kernel 2/x86無償評価版」の提供も2012年7月31日より開始します。
図
- 図1. 「T-Kernel 2/x86ライセンス付SDK(基本構成)」のソフトウェア構成図 [255Kバイト]
- 図2. 「T-Kernel 2/x86ライセンス付SDK(最小構成)」のソフトウェア構成図 [245Kバイト]
「T-Kernel 2/x86ライセンス付SDK」の製品仕様
パッケージ | ソフトウェアの分類 | ソフトウェアの内容 |
---|---|---|
基本構成 | 開発評価 | 「T-Kernel 2/x86評価キット」付属 |
ターゲット側ソフトウェア (ソースプログラム付) |
PMC T-Monitor, PMC T-Kernel 2/x86, PMC T-Kernel Extension(プロセス管理、ファイル管理など), デバイスドライバ(シリアルポート,システムディスク,RTC) |
|
ホスト(Windows)側 開発環境(*5) |
統合開発環境「Eclipse for PMC T-Kernel」, GNU C/C++コンパイラ(T-Kernel対応), 標準Cライブラリ, T-Kernel関連ライブラリ |
|
USB オプション |
ターゲット側ソフトウェア (ソースプログラム付) |
USB 2.0ホスト用プロトコルスタック(アイソクロナス転送機能を含む), クラスドライバ(HID(*6)、マスストレージ) |
ネットワーク オプション |
ターゲット側ソフトウェア (ドライバのソース付) |
LANドライバ, TCP/IP(ICMP, ARP, DNS, DHCP, PPPを含む), ネットワークユーティリティ |
GUI オプション |
ターゲット側ソフトウェア (ドライバのソース付) |
スクリーンドライバ, KB/PDドライバ, ディスプレイプリミティブ, GUIマネージャ, ドットフォント, マイクロスクリプト(ビジュアル言語)など (*7) |
パッケージ | ソフトウェアの分類 | ソフトウェアの内容 |
---|---|---|
最小構成 | 開発評価 | 「T-Kernel 2/x86評価キット」付属 |
ターゲット側ソフトウェア (ソースプログラム付) |
PMC T-Monitor, PMC T-Kernel 2/x86, ファイル管理, デバイスドライバ(シリアルポート,システムディスク,RTC) |
|
ホスト(Windows)側 開発環境(*5) |
統合開発環境「Eclipse for PMC T-Kernel」, GNU C/C++コンパイラ(T-Kernel対応), 標準Cライブラリ, T-Kernel関連ライブラリ |
|
USB オプション |
ターゲット側ソフトウェア (ソースプログラム付) |
USB 2.0ホスト用プロトコルスタック(アイソクロナス転送機能を含む), クラスドライバ(マスストレージ) |
ネットワーク オプション |
ターゲット側ソフトウェア (ドライバのソース付) |
LANドライバ, TCP/IP(ICMP, ARP, DNS, DHCP, PPPを含む), ネットワークユーティリティ |
- (*5)
- 仮想化ソフトVMware Playerにより、実機の代わりにパソコン上での開発とデバッグが可能です。
- (*6)
- GUIオプションと併用した場合に利用できます。
- (*7)
- 追加オプション(有償)にて18万字の多漢字・多言語用TrueTypeフォント、かな漢字変換、タッチパネルドライバなどの機能をご提供します。
- 技術サポートについて
- 基本構成パッケージ、および全てのオプションパッケージにおきまして、質問数無制限、 期間1年間の技術サポートが付属します。
- 製品化ライセンスについて
- 基本構成パッケージ、および全てのオプションパッケージにおきまして、 対象プロジェクト(*8)向けコピー数無制限の製品化ライセンスが付属します。
- (*8)
- お客様の製品開発プロジェクトに対して、台数無制限のライセンスを許諾いたします。プロジェクトに属する複数機種が対象となります。ライセンスの対象台数を限定した、コピー数単位のライセンスについても承りますのでご相談ください。
【仮想化ソフトの場合】 | |
---|---|
VMware Player 1.X、2.X、3.X の上で動作 | |
【ハイパーバイザーの場合】 | |
T-Kernel対応のRTH上で動作 | |
【PC/AT互換ボードの場合】 | |
CPU | x86 (互換CPUも含む) Intel Atom, Core, Pentium, Celeron, AMD Athlon, Geode, VIA Edenなど |
メモリ | 32MB以上 |
BIOS | PC/AT互換の標準的なBIOSが実装されていること(*9) |
シリアルポート(*10) | デバッグコンソール用 |
ディスク(*10) | ブート可能なディスク(IDE/SATAタイプのHDD、CFカード、USBメモリなどに対応)が実装されていること |
USB(*10)(*11) | USB 1.1/2.0ホストアダプタ(UHCI, OHCI, EHCIに対応、ただし機種によっては未対応の場合もあります) マスストレージクラス機器(HDD,CD-ROM,USBメモリ等), HIDクラス機器(キーボード,マウス)(*11)など |
LAN(*10)(*11) | 【10/100BASE-T対応LANアダプタ】 Intel PRO/100, 82562, 3Com 3C900/590, DEC 21140, Realtek RTL8139/8169/8101/8103, VIA VT6102, SiS900, AMD Am79C970/971/972/973/975/976/977/978, NE2000互換など 【1000BASE-T対応LANアダプタ】 Intel PRO/1000, i82574L, Realtek RTL8169など |
画面ディスプレイ(*10)(*12) | VESA BIOSが対応していること(*9) |
- (*9)
- お客様ご指定のハードウェアやBIOS上でPMC T-Kernel 2/x86が動作することを当社が保証するものではありません。ただし、ハードウェアやBIOSの仕様の差異に対しては、お客様ご自身でT-Monitorやデバイスドライバのソースプログラムを修正していただくことにより対応可能です。当社が有償でこの調整作業をお請けすることもできますので、お気軽にご相談ください。
- (*10)
- お客様がデバイスドライバを追加あるいは修正することにより、他のデバイスや制御チップ、メディア等にも対応可能です。
- (*11)
- 「基本構成」や「最小構成」には含まれません。本機能のご利用には、ネットワーク、USBなど、対応するオプションパッケージが必要です。
- (*12)
- 「最小構成」では利用できません。「基本構成」でのご利用には、GUIオプションが必要です。
パーソナルメディア株式会社について
パーソナルメディア株式会社は、組込み機器のためのオープン開発プラットフォームであるT-Engineプロジェクトに積極的に参加し、開発から技術サポート、販売から出版まで、幅広い事業を展開しています。具体的には、「PMC T-Kernel」のポーティングやチューニング、組込み向けデバイスドライバ「PMC T-Drivers」の開発や移植、T-Kernelを搭載した極小マカロン型コンピュータ「Teamacaron」の開発や販売などを行い、その実績は多くのお客様に高くご評価いただいております。
また、T-Kernel 2.0ワーキンググループの座長としてT-Engineフォーラムの活動に協力し、T-Kernel 2.0の仕様策定を進めて参りました。その成果をいち早く実装した「T-Kernel 2/x86評価キット」や「T-Kernel 2.0リファレンスキット」などの製品も発売しています。
参考情報、リンク集
- T-Engineフォーラム
- http://www.t-engine.org/
- パーソナルメディアのT-Engineソリューション
- http://www.t-engine4u.com/
- TRON は "The Real-time Operating system Nucleus" の略称です。
- TRON、T-Engine、μT-Engine、T-Monitor、T-Kernelは、コンピュータの仕様に対する名称であり、特定の商品を指すものではありません。
- その他の商品名などは各社の商標または登録商標です。
- 本資料に記載された製品の仕様、外観イメージ、価格などは、発表日現在のものです。最終的に販売される製品では、変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。ご購入の際は、最新情報をご確認ください。