2010年12月8日

パーソナルメディア株式会社
〒141-0031 東京都品川区西五反田1-29-1 コイズミビル
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E-mail:te-sales@personal-media.co.jp
(T-Engineのウェブサイト)http://www.t-engine4u.com/

T-Kernel 2.0のミドルウェアを
パーソナルメディアが大幅に拡充
オープンソースの移植をさらに加速するTeam 2.0を提供

組込みシステムの総合ソリューションを提供するソフトウェアメーカーのパーソナルメディア株式会社(代表取締役:松為彰、本社:東京、電話:03-5759 -8305、資本金 1,000万円)は、次世代のリアルタイムOS「T-Kernel 2.0」向けに新規開発を含むミドルウェアの大幅な拡充を行い、「Team 2.0 - T-Kernel Embedded Applications and Middleware」の名称にて2011年1月より受注を開始いたします。また、12月15日(水)~17日(金)に東京ミッドタウンで開催される「TRONSHOW2011」の当社ブース(ブース番号:A-4)にて、「Team 2.0」のデモンストレーションを行います。

T-Kernelは、25年の実績を持つ「ITRON」をベースとした、ハイエンドな組込み機器向け制御用リアルタイムOSです。ITRONのコンパクト性や高速応答性を保ちつつ、ミドルウェアの移植性や開発効率を高める機能が強化されており、基本ミドルウェアの併用によってWindowやLinuxなど情報系OSと同等の機能を提供します。T-Kernelは2002年に開発され、これまでに業務用携帯端末や業務用の無線機器、監視装置、カーナビ、プリンタ、タッチパネル式のコンピュータなど、多くの組込み機器への採用実績があります。また、今年度には、次世代に向けたバージョンアップ版である「T-Kernel 2.0」が開発されています。

パーソナルメディアがこのたび「Team 2.0」として提供するT-Kernel用ミドルウェアには、オープンソースソフトウェアの移植性を大幅に高める「PMC T-Extension 2.0」と、GUIなどの機能を提供する「Qt」が含まれます。

「Qt(キュート)」は、ノキア社によって開発された、オープンソースでマルチプラットフォームのアプリケーションフレームワークです。 直感的で分かりやすく、開発が容易で洗練されたGUI機能を中心に、マルチメディア、データベース、3Dを含むグラフィックとの連携機能など、高度な機能を提供します。また、ウェブブラウザのレンダリングエンジンであるWebKit(*1)がQtで動作し、組込み用途においても需要が伸びているフルブラウザの機能を簡単に実現できます。

QtではQt Creatorと呼ばれる開発ツールが提供されるなど、GUIの開発環境が充実していますが、このたびのTeam 2.0の成果により、これらの開発ツールを使ってT-Kernel用のGUIを開発できるようになります。このため、GUIを含む組込み機器のアプリケーションの開発効率が大幅に向上します。 また、LinuxやWindows上のQtで動いていたソースプログラムは、再コンパイル程度の作業により、 T-Kernel上でも動かすことができます。したがって、LinuxやWindows上のQtによるプログラム資産をそのまま活かした上で、組込み向けに高いリアルタイム性能を持つT-Kernelへの移行を容易に行うことができ、組込み機器のOSの選択肢が広がります。

「PMC T-Extension 2.0」は、オープンソースソフトウェアの移植性を大幅に高めた基本ミドルウェアです。プロセス管理やファイル管理など、従来のT-Kernel Extensionの持っていた機能に加えて、ファイル、デバイス、イベント、ネットワーク通信などの入出力情報を統合的に管理する機能を備えており、 Linux用アプリケーションやQtなどのソフトウェアを短期間で移植できます。 また「PMC T-Extension 2.0」には、パーソナルメディアがNetBSDから移植してT-Kernel用にチューニングしたTCP/IPプロトコルスタック(NetBSD版TCP/IP)を含んでおり、サーバーやルーターなどの機器に搭載されたUNIXと同等のネットワーク機能を、T-Kernel上でも利用できます。

パーソナルメディアでは、Team 2.0に含まれるQtやT-Extension 2.0などのミドルウェアを、 PMC T-Kernel 2.0とともにお客様の組込み機器に移植してご提供します。移植先のCPUとしては、2011年3月までにx86、2011年6月までにARM11およびCortex-A8コアに対応した後、お客様のご要望に応じて他のCPUにも順次拡大していきます。

パーソナルメディアでは、Team 2.0およびT-Kernel 2.0を核とした各種のソフトウェアの開発やサービスを通じて、今後とも高機能な組込み機器や、さまざまなユビキタス機器の開発に貢献していく所存です。

(*1)
WebKitは、iPadやiPhone用のSafariなど、多くの情報機器のブラウザに採用されています。

補足資料

パーソナルメディアとT-Engineプロジェクト

パーソナルメディアは、組込み機器のためのオープン開発プラットフォームであるT-Engineプロジェクトに積極的に参加し、開発から技術サポート、販売から出版まで、幅広い事業を展開しています。具体的には、リアルタイムOS「PMC T-Kernel」のポーティングやチューニング、組込み向けデバイスドライバ「PMC T-Drivers」の開発や移植、多漢字対応のGUIミドルウェア「PMC T-Shell」の移植やご提供などを行ない、その実績を高くご評価いただいております。

また、今年度はT-Kernel 2.0ワーキンググループの座長としてT-Engineフォーラムの活動に協力し、T-Kernel 2.0の仕様策定を進めて参りました。その成果をいち早く実装した「T-Kernel 2/x86評価キット」などの新製品も発表しています。

このほか、T-Kernelを搭載した極小マカロン型コンピュータ「Teamacaron」、T-Kernelの上でITRONのAPIを提供する「I-right/TK」、組込みシステムの動作解析ツール「T-Kernel用タスクトレーサ」など、幅広い組込み向け製品をご提供しております。

参考資料

【関連情報】
T-Engineフォーラム
http://www.t-engine.org/
TRONSHOW2011
http://www.tronshow.org/
パーソナルメディアのT-Engineソリューション
http://www.t-engine4u.com/
パーソナルメディアのウェブショップ
http://www.personal-media.co.jp/webshop/



  • TRON は "The Real-time Operating system Nucleus" の略称です。
  • TRON、T-Engine、μT-Engine、T-Monitor、T-Kernelは、コンピュータの仕様に対する名称であり、特定の商品を指すものではありません。
  • その他商品名等は各社の商標や登録商標です。
  • 本資料に記載された製品の仕様、外観イメージ、価格などは、発表日現在のものです。最終的に販売される製品では、変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。ご購入の際は、最新情報をご確認ください。