- 「I-right/TK」を利用してITRONのプログラム資産を有効に活用できる「I-rightエンジン」を好評発売中です。
- 製品への組込みや教育機関などでの大量導入に配慮し、ボリュームディスカウントや無制限コピー可能なライセンス販売をいたします。
「I-right/TK」(ITRON Wrapper for T-Kernel)の特長
「I-right/TK」(アイ・ライト・ティーケー)は、これまで組込み向けに開発されてきたITRON用の豊富なプログラム資産と、T-Kernel用のデバイスドライバやミドルウェアとの連携動作を可能にする製品です。ITRONとT-KernelのAPI(Application Program Interface)(*1)の読み替えを行うラッパーを被せることにより、μITRON4.0のフルセットにほぼ準拠(*2)したAPIをT-Kernel上で実現します。
ITRON上で動くアプリケーションタスクと、T-Kernel用のアプリケーションタスク、デバイスドライバやミドルウェア(ファイルシステム、TCP/IPなど)を混在して連携動作できるため、T-Kernel用のデバイスドライバやミドルウェアを使ってITRON側の機能を拡張したり、ITRON用のプログラムを使ってT-Kernel側の機能を拡張するといった使い方も可能です。
「I-right/TK」の役割とソフトウェア構成図
- ITRONの資産をT-Kernelで活用
- これまで組込み向けに開発されてきたITRON用の豊富なプログラム資産を、最小限の修正により、次世代標準リアルタイムOS「T-Kernel」上で実行できます。また、ITRONに慣れたエンジニアが、T-Kernel上で新規のプログラムを開発する場合にも便利です。
- 軽量なラッパー
- ITRONやT-Kernelの持つリアルタイム性が損なわれないように、仮想化ソフトによるエミュレータ方式ではなく、軽量なAPIのラッパー(*3)がT-Kernel上で動作する方式を採用しています。
- μITRON4.0フルセットに準拠
- ITRONのAPIをT-Kernelベースのプログラム上から呼び出せます。ITRON APIの仕様はμITRON4.0仕様のフルセットにほぼ準拠(*2)しています。
- 固定IDやコンフィギュレーションにも対応
- T-Kernelではタスク IDなどのオブジェクト IDは動的に決まるため固定値では指定できませんが、「I-right/TK」ではITRONの固定 IDで指定可能です。特にμITRON 4.0仕様の静的 APIにも対応していますので、タスクなどのオブジェクトをコンフィギュレーション時に静的に定義できます。
- T-Kernel用ソフトと連携
- T-Kernel用の豊富なデバイスドライバやミドルウェアとの連携動作が可能です。たとえば、T-Kernel上で動いているTCP/IPやファイルシステム、グラフィック機能と、既存のITRONのプログラムを組み合わせたシステムを容易に構築できます。
- 多くの32ビットCPUに対応
- 多くのCPU上でITRONのプログラムを実行できます。T-Kernelは、現在市販されている多くの32ビットCPUに対応済みであり、その成果がITRONのプログラムからも利用できます。
- EclipseでITRON用プログラムを開発
- Eclipseによる開発が可能です。オープンソースのGUI統合開発環境であるEclipseのT-Kernel対応版「Eclipse for PMC T-Kernel」により、ITRON用のアプリケーションも開発できます。
Eclipseを使ったITRON用プログラムの開発画面
- Windows上で気軽にITRONを実行
- 「T-Kernel 2/x86評価キット」との併用により、PC上の仮想環境でのシミュレーション実行が可能です。組込みシステムのターゲットとなるハードウェアがなくても、x86上で実行可能な「PMC T-Kernel/x86」および仮想化ソフトと本製品を組み合わせることにより、PCのみを使ってITRON用プログラムの開発やデバッグを進めることができます。Windows上で気軽にITRONを実行できるため、リアルタイムOSの教育実習にもご活用いただけます。
- (*1)
- API(Application Program Interface)とは、OSの提供する機能をアプリケーションプログラムから呼び出して利用する際の仕様を定めたものであり、T-Kernelの「システムコール」あるいはμITRON 4.0の「サービスコール」とほぼ同義です。T-KernelのAPIとμITRON 4.0のAPIは、概念的にはほぼ同等ですが、APIの形式や細部は異なります。
- (*2)
- サービスコール管理機能はサポートしません。また、タスク例外処理機能、割込み管理機能、システム構成管理機能、データキューについては、一部の機能をサポートしません。サポートする機能やAPIについても、一部に仕様の相違や制限事項があります。
- (*3)
- 「ラッパー」とは「包むもの」という意味ですが、この場合は、リアルタイムOSの本体部分であるT-Kernel に対して、それを「包む」ことにより、ちょっとした変換や機能追加を行う付加的なプログラムを表わします。T-Kernelを薄いプログラムで包むことにより、見かけ(API)を少しだけ変えて、ITRONと同じものにするというイメージです。
「I-right/TK」の製品仕様
- 「I-right/TK」で実行可能なμITRON 4.0のサービスコール
-
機 能 静的API 一般操作 動的生成、
削除状態
参照
タスク
管理機能CRE_TSK act_tsk/iact_tsk
sta_tsk
can_act
ext_tsk
ter_tsk
chg_pri
get_pricre_tsk
acre_tsk
del_tsk
exd_tskref_tsk
ref_tst
タスク付属
同期機能slp_tsk
tslp_tsk
wup_tsk/iwup_tsk
can_wup
rel_wai/irel_wai
sus_tsk
rsm_tsk
frsm_tsk
dly_tsk
タスク例外
処理機能DEF_TEX ras_tex
dis_tex
ena_tex
sns_texdef_tex ref_tex
同
期
・
通
信
機
能セマフォ CRE_SEM sig_sem/isig_sem
wai_sem
pol_sem
twai_semcre_sem
acre_sem
del_semref_sem
イベント
フラグCRE_FLG set_flg/iset_flg
clr_flg
wai_flg
pol_flg
twai_flgcre_flg
acre_flg
del_flgref_flg
データ
キューCRE_DTQ snd_dtq
psnd_dtq/ipsnd_dtq
tsnd_dtq
rcv_dtq
prcv_dtq
trcv_dtqcre_dtq
acre_dtq
del_dtqref_dtq
メール
ボックスCRE_MBX snd_mbx
rcv_mbx
prcv_mbx
trcv_mbxcre_mbx
acre_mbx
del_mbxref_mbx
拡
張
同
期
・
通
信
機
能
ミュー
テックスCRE_MTX loc_mtx
ploc_mtx
tloc_mtx
unl_mtxcre_mtx
acre_mtx
del_mtxref_mtx
メッセージ
バッファCRE_MBF snd_mbf
psnd_mbf
tsnd_mbf
rcv_mbf
prcv_mbf
trcv_mbfcre_mbf
acre_mbf
del_mbfref_mbf
ランデブCRE_POR cal_por
tcal_por
acp_por
pacp_por
tacp_por
fwd_por
rpl_rdvcre_por
acre_por
del_porref_por
ref_rdv
メモリ
プール
管理
機能固定長
メモリ
プールCRE_MPF get_mpf
pget_mpf
tget_mpf
rel_mpfcre_mpf
acre_mpf
del_mpfref_mpf 可変長
メモリ
プールCRE_MPL get_mpl
pget_mpl
tget_mpl
rel_mplcre_mpl
acre_mpl
del_mplref_mpl
時間
管理
機能システム時刻
管理set_tim
get_tim周期
ハンドラCRE_CYC sta_cyc
stp_cyccre_cyc
acre_cyc
del_cycref_cyc アラーム
ハンドラCRE_ALM sta_alm
stp_almcre_alm
acre_alm
del_almref_alm オーバーラン
ハンドラDEF_OVR sta_ovr
stp_ovrdef_ovr ref_ovr
システム状態
管理機能rot_rdq/irot_rdq
get_tid/iget_tid
loc_cpu/iloc_cpu
unl_cpu/iunl_cpu
dis_dsp
ena_dsp
sns_ctx
sns_loc
sns_dsp
sns_dpnref_sys
割込み管理機能DEF_INH
ATT_ISRdis_int
ena_intdef_inh
cre_isr
acre_isr
del_isrref_isr システム構成
管理機能ATT_INI ref_cfg
ref_ver
標準価格および対応機種
- 対応機種
-
- T-Kernel 2/x86評価キット
- μT-Kernel 3.0リファレンスキット
- T2&μT2リファレンスキット
- T-Kernel 2.0リファレンスキット
- μTeaboard 2.0
- μTeaboard/ARM7-AT91
- Teamacaron
- Teaboard2/ARM920-MX1
- T-Engine/SH7727開発キット
- T-Engine/SH7760開発キット
- T-Engine/VR5701開発キット
- T-Engine/TX4956開発キット
- T-Engine/ARM926-MX21開発キット
- T-Engine/ARM926-MB8開発キット
- T-Engine/ARM920-MX1開発キット
- T-Engine/PPC-V4FX開発キット
- μT-Engine/V850E-MA3開発キット
- μT-Engine/VR4131開発キット
- 開発ターゲットとなる実機1台上で実行可能なバイナリライセンスと、開発用ホストPC1台にインストール可能な開発環境のライセンスを含みます。2台以上の実機や開発用ホストPCでご利用いただく場合は、必要台数分の「I-right/TK」をお求めください。
- 製品向けにご採用の場合は、ボリュームディスカウントや無制限コピー可能なライセンス販売をいたします。当社営業部までお問い合わせください。
- 「IoT-Engine開発キット」(μT-Kernel 2.0)に対応した「I-right/TK」につきましては、当社営業部までお問い合わせください。
- 当社以外のベンダー様やお客様ご自身により移植されたT-Kernel上で動作するカスタマイズ版の受注も承ります。
「I-right/TK」の評価版
- 「I-rightエンジン」
標準価格(税別) 95,000円 (税込 104,500円) - ARMコアを搭載した組込みボード上で、「I-right/TK」の評価ができる開発評価キットです。
ご購入方法
本製品は、当社ウェブショップよりお求めになれます。お支払い方法は、「銀行振込」「郵便振替」「コンビニ支払」のいずれかをお選びいただけます。(「商品代引」「クレジットカード」ではお支払いいただけませんのでご了承ください。)
パーソナルメディア株式会社 営業部TEL.03-5749-4933 FAX.03-5749-4936
E-mail: te-sales@personal-media.co.jp
http://www.t-engine4u.com/
- Home
- 製品一覧
- T-Kernel用ミドルウェア・アプリケーション
- I-right/TK