2009年11月12日

パーソナルメディア株式会社
〒141-0031 東京都品川区西五反田1-29-1 コイズミビル
TEL.03-5759-8305 FAX.03-5759-8306
E-mail:te-sales@personal-media.co.jp
(T-Engineのウェブサイト)http://www.t-engine4u.com/

多種類のRFIDタグに対応した組込み機器向けドライバ
「マルチRFIDドライバ for T-Kernel」をパーソナルメディアが開発

組込みシステムの総合ソリューションを提供するソフトウェアメーカーのパーソナルメディア株式会社(代表取締役:松為彰、本社:東京、電話:03-5759-8305、資本金 1,000万円)は、組込み機器向けリアルタイムOS「T-Kernel」上で多種類のRFIDタグを読める「マルチRFIDドライバ for T-Kernel」の開発に成功し、2009年12月21日より出荷を開始いたします。また、11月18日(水)~20日(金)にパシフィコ横浜で開催される「Embedded Technology 2009/組込み総合技術展」の当社ブース(ブース番号:D-19)、および12月9日(水)~11日(金)に東京ミッドタウンで開催される「TRONSHOW2010」の当社ブース(ブース番号:B-1)にて、開発成果のデモンストレーションを行います。

RFID(Radio Frequency IDentification)の技術は、在庫管理や備品管理、トレーサビリティ、サプライチェーン・マネジメントなどに応用され、ユビキタス・コンピューティングの基盤技術の1つとして着実な普及を見せています。また、個人を認証する社員証や学生証、SuicaやEdyなどの電子乗車券や電子マネー、電子チケットなどの用途に非接触ICカードやRFIDを採用する例も増えており、一般消費者にとってもこれらの技術が身近なものとなってきました。しかしながら、技術面の要求や標準化の経緯などから、RFIDタグや非接触ICカードにはさまざまな種類があり、タグの種類によりタグの読み取り装置(リーダ端末)を使い分ける必要がありました。このような不便を解消し、1台のリーダ端末で複数のRFIDタグや非接触ICカードを読み出し可能とする組込み機器向けのドライバが、この度パーソナルメディアの開発した「マルチRFIDドライバ for T-Kernel」です。

「マルチRFIDドライバ for T-Kernel」は、日本電気株式会社(本社:東京都港区 代表取締役社長:矢野 薫)製「RFIDマルチリーダライタ端末」に対応したT-Kernel用(*1)のデバイスドライバです。このリーダ端末は、3周波数のRFIDタグと非接触ICカードに幅広く対応しており、読み取り時の切り替え操作も必要ありません。電子チケットや個体管理、備品管理などに普及の進んでいるμ-Chip、物流関係で利用の多いEPC globalのUHF帯のタグ、交通系ICカードや電子マネーでお馴染みのFeliCaなど、各種のRFIDタグや非接触ICカードをシームレスに読み取ることが可能であり、RFIDタグやICカードを用いた新しいソリューションを創出するためのキーデバイスとなります。たとえば、Suicaによる作業担当者の認識、EPC globalのタグによる配送箱の認識、μ-Chipによる製品個体の認識を1台のリーダ端末で処理することができ、T-Kernelを用いたユビキタス向けの組込み機器に新しい可能性が拡がります。

パーソナルメディアでは、「T-Engine/SH7727開発キット」「T-Kernel/x86評価キット」など当社で発売中のT-Kernel搭載製品ですぐに動作するパッケージソフトウェア版の「マルチRFIDドライバ開発キット for T-Kernel」をご提供するほか、お客様のT-Kernel搭載組込み機器に本ドライバを移植してご提供するソリューションビジネスを展開します。

パーソナルメディアは、今後もT-Kernelを核とした各種のソフトウェアの開発やサービスを通じて、高機能な組込み機器や、さまざまなユビキタス機器の開発に貢献していく所存です。

(*1)
T-Kernelとは、組込み機器の開発の効率化やユビキタス・コンピューティング環境の実現を目的に活発な活動を続けるT-Engineプロジェクトで仕様が標準化された次世代のリアルタイムOSです。25年の実績を持つITRONのリアルタイム性を保ちつつ、機能の追加や標準化の範囲の拡大を行い、高機能な組込み機器の制御用ソフトウェアを効率よく開発できるように設計されています。T-Kernelは、業務用端末やカーナビ、プリンタなど、既に多くの機器に採用されています。

補足資料

製品仕様

表1. 「マルチRFIDドライバ for T-Kernel」の対応機種
T-Engine開発キット各機種
(T-Engine/SH7727開発キット、T-Engine/SH7760開発キット、T-Engine/VR5701開発キットなど)
T-Kernel/x86評価キット
移植とカスタマイズによりT-Kernelを搭載した各種の組込み機器に対応
表2. 対応済みのRFIDリーダとRFIDタグ
RFIDリーダ 日本電気株式会社様「RFIDマルチリーダライタ端末」
RFIDタグ(*2) 13.56MHz(FeliCa)Suica/PASMO, Edyなど
13.56MHz(Mifare)taspoなど
13.56MHz(ISO/IEC15693)I-CODE SLI, Tag-it HF-I
952~955MHzEPC C1 Gen2, μ-Chip Hibiki
2.4GHzμ-Chip, Intellitag
(*2)
日本電気株式会社様「RFIDマルチリーダライタ端末」を用いた場合の対応タグです。なお、一部のタグではIDの読み出しのみ可能です。
表3. 「マルチRFIDドライバ開発キット for T-Kernel」の製品内容
「RFIDマルチリーダライタ端末」本体 ( USB接続 ) 1台
「RFIDマルチリーダライタ端末」の T-Kernel 用デバイスドライバ 1式
動作確認用のサンプルプログラム 1式
技術資料 1式
リーダ端末を動作させるには、「T-Engine開発キット」および「PMC T-Shell開発キット」、あるいは「T-Kernel/x86評価キット」が別途必要です。

写真

パーソナルメディアとT-Engineプロジェクト

パーソナルメディアは、組込み機器のためのオープン開発プラットフォームであるT-Engineプロジェクトに積極的に参加し、開発から技術サポート、販売から出版まで、幅広い事業を展開しています。TRONの25年間の歴史の中でパーソナルメディアが蓄積した高度な技術力とノウハウ、および協力各社との緊密なパートナーシップにより、組込みシステム全般にわたるソリューションをご提供します。

具体的には、リアルタイムOS「PMC T-Kernel」のポーティングやチューニング、組込み向けデバイスドライバ「PMC T-Drivers」の開発や移植、多漢字対応のGUIミドルウェア「PMC T-Shell」や各種プロトコルスタック、ウェブブラウザなどの移植やご提供、技術セミナーや技術サポートなどの業務を中心に、多くのT-Engine 応用製品の開発に関わり、その実績を高くご評価いただいております。また、インテル® Atom™プロセッサなどx86系のプロセッサで動作する「T-Kernel/x86評価キット」やx86用のT-Kernelに製品化ライセンスを含めた「T-Kernel/x86製品開発パッケージ」、各種CPUを搭載した開発評価用ボード「T-Engine開発キット」、安価なT-Engineアプライアンスである「Teatouch」 「Teaboard2」 「μTeaboard」、これらのボード上で動作するデバイスドライバやミドルウェア、T-Kernelの上でITRONのAPIを提供する「I-right/TK」など、幅広い組込み向け製品をご提供しております。

参考資料


  • TRON は "The Real-time Operating system Nucleus" の略称です。
  • TRON, BTRON, ITRON, eTRON, T-Engine,μT-Engine, T-Monitor, T-Kernel はコンピュータの仕様に対する名称であり、特定の商品を指すものではありません。
  • その他の商品名などは各社の商標または登録商標です。
  • 本資料に記載された製品の仕様、外観イメージ、価格などは、発表日現在のものです。最終的に販売される製品では、変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。ご購入の際は、最新情報をご確認ください。