T-Kernel 2.0リファレンスキット応用事例:HLSによる機器制御

2013年4月11日(木)
パーソナルメディア株式会社 応用開発担当

概要

T-Kernel 2.0リファレンスキットT-Engineリファレンスボード(U00B0021-02-CPU)では、HLS(High Speed Link System)が利用できます。
本ボード上には、HLSのマスターとなるステップテクニカ製 MKY36を搭載しており、HLSのスレーブとなる機器を接続することで、スレーブに接続されたDIOなどのリモート制御が可能です。

マスター(CPUボード)とスレーブ(リモートのDIOなど)の間は、2本線の半2重通信で接続し、活線挿抜も可能です。この間の通信のプロトコルは、HLSの制御用IC(マスター側はMKY36など、スレーブ側はMKY35など)によって自動的に制御されますので、ドライバ等から意識する必要がありません。
プログラミング上は、一般的なDIOと同様に、共有メモリ空間へのアクセスにより入出力が可能です。


HLSの詳細情報や関連製品については、次のサイトなどをご覧ください。

本システムの機能と構成

リファレンスボード内蔵のHLSマスタとスレーブ用ユニットをケーブルで接続し、サンプルプログラムからプッシュスイッチとブザーの制御を行います。
HLSスレーブ用ユニットには、入力としてプッシュスイッチを、出力としてブザーを接続しました。
プッシュスイッチとブザーの状態は、リファレンスボードのシリアルポートに接続したパソコンのターミナルソフトに表示されます。 システム全体の構成は以下のとおりです。

HLSドライバおよびサンプルプログラムのご提供につきましては、当社営業部までお問い合わせください。

構成

使用機材

HLSスレーブユニット

株式会社オンテック SAVE NET 入出力ターミナル SN-4008-STRT
8点の入力と8点の出力を制御できます。
今回使用したユニットでは、入出力16点(16ビット)のうち、下位8ビットが入力(0番~7番端子)に、上位8ビットが出力(8番~15番端子)に割り当てられています。

SN-4008-STRT

プッシュスイッチ

入力用に市販のプッシュスイッチを用意しました。

プッシュスイッチ

ブザー

出力用に市販のブザーを用意しました。

ブザー

動作確認

サンプルプログラム(main.c) からHLSドライバをオープンして、次の動作確認を行いました。

  1. プッシュスイッチを押すと、HLS ドライバからの読み込み値が変化して、どのビットから入力されたのかが得られます。
  2. HLSドライバに対して、ブザーを接続したビットに書き込むと、ブザーが鳴ります。

パソコンのターミナルソフト画面

term画面

プッシュスイッチは、0番から15番まである端子のうち、1番端子(入力用の下から2番目のポート、2進数で 0000000000000010 = 16進数で 0002)に接続しているので、スイッチを押したときだけ「data_in:」が「0002」に変化します。
ブザーは15番端子(出力用の最上位のポート、2進数で 1000000000000000 = 16進数で 8000)に接続しているので、「data_out:」に「8000」を出力したときのみブザーが鳴ります。